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福岡・中1飛び降り:「毅然とした態度必要」 担任の体罰認める--市教委

 福岡市西区小戸で19日に市立内浜中1年の男子生徒(13)が自殺した問題で、福岡市教委は29日、担任の男性教諭(37)による昨年6月の体罰を認めたうえで、山田裕嗣教育長が「学校の指導や友人関係が事故につながったとは考えにくいが、さらに調査し適切に対応していきたい」とのコメントを出した。【朴鐘珠、高橋咲子】

 学校側は、担任が昨年6月、男子生徒のひざをけるなどした行為について、男子生徒が亡くなるまで市教委に伝えていなかった。これについて、市教委の大西浩明・学校指導課長が報道各社の取材に応じ、「行き過ぎた指導については報告されるべきだったが、教師の毅然(きぜん)とした態度は(指導上)必要だった」と話した。

 今月16日に男子生徒が忘れ物をし、担任からヘッドロックのように頭を右腕で抱えげんこつでたたかれた行為については「体罰とはいえないが、できるだけ避けるべきだった」との見解を示した。

 一方、同級生や教師に対する聞き取りなどこれまでの調査の結果、男子生徒にはトラブルや普段と違った様子は見つからなかったと指摘。「いろんな角度から調査したが、(自殺との因果関係を)裏付けるような事実は見つからなかった」と説明している。

 ◇学校が調査へ 教諭や親友対象に

 一方、内浜中の薄(すすき)公治校長(55)は29日、自殺した生徒が昨年6月と今月16日に担任の教諭から受けた体罰の実態について、調査を進めていることを明らかにした。

 調査対象は、担任▽生徒を授業で教えていた担当教諭▽生徒の親友。来週末を期限に、担任と担当教諭からは報告書を提出させる。生徒が入学した昨年4月以降、各教諭が生徒とどうかかわり合い、どんな会話や指導をしたか記入する。報告書は校長がまとめ、市教委だけでなく、自殺した生徒の保護者にも渡す。生徒の親友にはそれぞれの担任が聞き取る形式で、生徒に悩みがなかったかなどを調査する。

 また校長は、自殺した生徒以外にも、忘れ物を理由に担任からげんこつをされた生徒が複数いたことを認めた。担任は忘れ物二つでげんこつ1発という独自のルールを昨年5月から始めていたという。亡くなった生徒は自殺する3日前に、クラス全員の前で頭をたたかれていた。

 担任はこの日の会見に同席しなかったが、薄校長に対し「自分の指導もなんらかの関係があったのではないか」と話しているといい、薄校長は「担任にはいつか公的な場で話をさせる」と述べた。

毎日新聞 2009年1月29日 西部夕刊

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