福岡放送局

2009年1月29日 19時26分更新

自殺中学生 担任が体罰か

今月19日、福岡市西区で中学1年生の男子生徒がマンションから飛び降りて自殺した問題で、この生徒は担任の教師から体罰を受け、自殺する2日前に携帯電話のメールに「先生がまた殴った」などと書き残していたことがわかりました。学校の校長は「担任の指導が自殺の要因の1つだったかもしれない」としています。

この生徒は、福岡市立内浜中学校に通う1年生の男子生徒で、今月19日の朝、登校途中に福岡市西区のマンションから飛び降りて自殺しました。
この問題で、中学校の薄公治校長が29日、記者会見しました。
それによりますと、担任をしていた37歳の男性教師が、生徒が自殺する3日前の今月16日、この生徒が忘れ物をしたなどとして、クラス全員の前で頭をげんこつでたたいたということです。
母親によりますと、生徒の携帯電話にはその翌日の日付で、「先生がまた殴った。電話していい?」などと生徒が友人に送ろうとした未送信のメールが残されていたということです。
自殺した当日の朝、生徒は自宅から母親の携帯電話に10回以上、電話をかけていましたが、母親は仕事中で出られなかったということです。
このとき、自宅にいた父親が生徒の泣き声に気づき、「早く学校に行きなさい」と声をかけたということで、生徒はこのあと自宅を出て、自殺したということです。
一方、薄校長によりますと、担任の教師は去年6月にも生徒を指導する際、頭をげんこつでたたいたり、ひざをけったりしていたということです。
この際、学校は母親から「息子が死にたいと言っている」という相談を受け、母親と面談し、体罰の事実を確認したうえで、行き過ぎた指導をしないよう担任に伝えていたということです。
母親は「息子は、担任の先生にわかってもらえず、悩んでいた」と話しています。
薄校長は「担任の指導が自殺の要因の1つだったかもしれない」としています。
福岡市教育委員会は「これまでの調査では学校の指導や友人関係が今回の転落事故につながったとは考えにくい状況にありますが、今後、さらに調査を行い、適切に対応したい」としています。