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失明の危険も認知度3割止まり―加齢黄斑変性症

 「中心視力」をつかさどる「黄斑」に加齢による障害が起こり、視力に問題を引き起こす「加齢黄斑変性症」に対する中高年の認知度が約3割と、「白内障」や「緑内障」のそれを大幅に下回ることが、ノバルティスファーマによる意識調査から分かった。加齢黄斑変性症は、重篤になると失明の危険性もあるといい、専門家はこの病気を理解した上で、早期発見・早期治療に努めるよう訴えている。

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 調査は今年1月8−14日、50−70歳代の男女3000人を対象に実施し、2237人から回答を得た。
 それによると、同じく視力に支障が生じる白内障、緑内障、糖尿病網膜症の認知度がそれぞれ94.4%、88.9%、58.1%だったのに対し、加齢黄斑変性症では31.3%。2006年10月の前回調査から約7ポイント上昇したものの、白内障などの認知度とは依然、大きな開きがある。
 認知度を年齢別に見ると、50歳代33.3%、60歳代31.2%、70歳代28.4%と、年齢層が高くなるほど下がっている。また、実際にこれら疾患の診断を受けたことがある人の割合は、白内障15.5%、緑内障4.4%、加齢黄斑変性症1.7%、糖尿病網膜症1.2%となっており、同社では、「加齢黄斑変性症の顕在患者数は依然として少ないことが示唆された」としている。

 これら疾患に関する情報の入手先については、いずれも「病院・診療所・クリニック」や「テレビ」「家族・友人」などを挙げる回答が多かった。ただ、加齢黄斑変性症の情報源として「家族・友人」を挙げたのは23.5%で、白内障56.5%、緑内障46.2%、糖尿病網膜症40.2%に比べて低く、同社では、「身近にいる人々から情報を得にくい疾患である現状がうかがえた」と分析している。

 加齢黄斑変性症には、網膜中心部分の細胞が機能低下し、萎縮・壊死を起こす「萎縮型」(ドライ)と、網膜中心部分に発生した異常な血管から出血し、細胞が障害を起こす「滲出型」(ウエット)がある。後者では、重篤になると失明に至ることもあるという。

 阪大医学部眼科学教室の田野保雄教授は、「潜在患者さんが多くいらっしゃいますので、ぜひ多くの方に加齢黄斑変性症について詳しく知っていただきたい」と話し、早期発見・早期治療の重要性を訴えている。


更新:2009/01/29 15:00   キャリアブレイン

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