八王子市は28日、09年度から実施する総額1億円の緊急雇用対策を発表した。中小企業が多い土地柄を考慮し、企業への奨励金や資金援助を通して雇用確保につなげる。来月1日には緊急雇用対策本部を設置し、ハローワークや商工会議所などと情報交換も始める。
具体策として、雇用維持を含む健全な経営計画がある企業に、100万円を上限に従業員1人あたり5万円を交付する。計画の審査は金融機関の現役職員らに依頼する。
また、従業員20人以下の小規模企業が市の融資制度を利用した場合、市が金利2・4%を負担し実質的にゼロ金利とする。従業員40人以下の小口事業者には、融資枠を3000万円に拡充する。いずれも10年3月末までの措置。
このほか、経営の多角化や省エネ、環境事業を対象とした都の融資制度を利用する際に、金利の一部を助成する。起業を志す離職者にはオフィス賃料補助制度などを創設し、就職相談会も開催する。
豊田聡・産業政策課長は「企業を支援して雇用確保につなげるという施策は珍しいのでは」と話す。【内橋寿明】
〔多摩版〕
毎日新聞 2009年1月29日 地方版