南日本造船大在工場の事務所に家宅捜索に入る捜査員=29日午前8時54分、大分市青崎
南日本造船大在工場(大分市青崎)で建造中の船に架けたタラップが落下し、作業員二十六人が死傷した労災事故で、県警捜査一課と大分東署は二十九日午前、業務上過失致死傷容疑で、大在工場と同社本部事務所(同市須賀)の二カ所を家宅捜索した。押収資料を分析し、同容疑での立件を視野に捜査を進める。
これまでの調べでは、タラップ(長さ約三十メートル、幅約一メートル、重さ約六トン)先端のL字型フックを固定していたボルト(直径約二センチ)四本すべてが、過度の重さに耐えきれずに折れたのが原因とみられる。県警はボルトの強度や、当時、何人がタラップに乗っていたかを調べるとともに、同社の安全管理の実態について把握を進める。
南日本造船によると、フックやボルトは、タラップを陸から船体へ斜めに架けるために取り付け、事故当日に初めて使用。同社は強度について検査をしておらず、タラップと船体をワイヤで結ぶ安全対策も取っていなかった。
事故は二十三日午前九時半ごろ発生。自動車運搬船に架けたタラップが落下し、二人が死亡、二十四人が重軽傷を負った。
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。
Copyright (c) 2008 OITA GODO SHIMBUNSHA