会報on-line 第35号
『お星さまのレール』 解説
『お星さまのレール』
1993年 カラー アニメ16_ 75分
〜 あの日、−−ミコがいて、お花ちゃんがいて、龍一くんもいた。 〜
〜 見てごらん、あの星のレールが、未来につながっているんだよ。 〜
【推薦】
全国学校図書館協議会選定
日本図書館協会選定
厚生省中央児童福祉審議会特別推薦
日本こどもの本研究会選定
第30回サンケイ児童出版文化賞受章
【原作】
小林千登勢『お星さまのレール』(金の星社)
〜 女優・小林千登勢の体験記、感動のアニメーション化 〜
〜 平和と家族の絆の尊さを描く感動のドラマ 〜
【スタッフ】
製作 竹内 守
企画 米川 巧真
プロデューサー 大塚 聡 / 掘 有三
脚本 浦畑 達彦 / 朝倉 秀雄
監督 平田 敏夫
キャラクターデザイン 金森 義則
作画監督 君塚 勝
音楽 坂田 晃一
主題歌 「夜空で星が生まれるように」
唄・益田 宏美(ビクター)
製作 協同組合全国映画センター
テレビ東京
配給 協同組合全国映画センター
【声の出演】
鷹森 淑乃 / 田中 秀幸
潘 恵子 / 坂本 千夏
【書評】(朝日新聞)
終戦の翌昭和21年8月、小林さん一家は仲間の日本人79人と一緒に北朝鮮の平壌を脱出、朝鮮半島を南北に分断している38度線を目指した。
「お星さまのレール」は、まだ平和だった朝鮮での想い出からはじまり、日本への引き揚げまでを描いたものだ。 (中略)
子どもの目を通した戦争の姿が、淡々と描かれている。
【かいせつ】
◆人気女優・小林千登勢さんの実体験を描いた、同名の児童文学(金の星社刊)をもとに作られました。
◆物語は、1940年から46年まで、朝鮮半島を舞台に、主人公チコの目を通して、植民地時代から敗戦、そして進駐軍監視下の生活から日本への引揚げの体験を綴ったものです。
◆この映画は、朝鮮半島での『戦争』を、明るく元気な少女チコの目に映った疑問や悲しみとして描くことで、植民地支配の矛盾と、海外での戦争体験を 訴えかける作品です。
◆協同組合全国映画センターが第一回作品としてテレビ東京と共同で製作にあたり、監督は、「はだしのゲン2」「カッパの三平」のベテラン・平田敏夫。また挿入歌の「夜空で星が生まれるように」を、子どものためのアルバムを製作するなど意欲的な活動を続ける益田宏美(旧姓・岩崎)が歌っています。
【ものがたり】
1940年、朝鮮の北、新義州。主人公チコは5才。お父さん、優しいお母さん、お世話をしてれる朝鮮人のお花ちゃん。そして妹のミコ。チコはあたたかい愛に包まれ、すくすくと育っていました。
やがて、主人公の入学式を前に、ランドセルを買ってもらうことになりました。真っ赤なランドセルで学校に行くのを楽しみにしていたのに、包みから出てきたのは国防色のランドセル……。
「今、日本は戦争をしているんだ、ぜいたくはいけない……。」
泣きじゃくるチコに優しく言い聞かせるお父さん。初めてチコの周りで起きた“戦争”でした。
それから、父の出征、妹ミコの死、家を離れていくお花ちゃん。
日増しに激しくなる戦争と、日本の朝鮮支配の暗い影。
やがて、1945年、戦争は日本の敗戦で終わりました。
そして、チコ一家は朝鮮から日本への引揚げの逃避行が始まります……。
【作者のことば】
未来の平和を語り合ってほしい 小林 千登勢
今、戦争を知らない人口のほうが多くなってしまいました。
戦争を語りついでくれる人も少なくなってしまったわけです。平和な未来をきづくためには、過去の歴史をみつめて、考えなければならないと思います。
この映画が少しでもアジアのかけ橋になってくれれば、そして、一人でも多くの子ども達に見てもらって、未来の平和を語り合ってもらえればと願っています。
(以上、映画チラシより)
NIFTY ID:HFB02416