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2009-01-28 21:59:03 stanford2008の投稿

最近読んだ市川裕『ユダヤ教の精神構造』(東京大学出版会、2004)の感想

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私(桜井淳)は、これまで、英文の聖書や日本語の聖書の解説書を読んだことはあるものの、決して一般的ではない「ユダヤ教」(世界宗教ではなくて、いまのイスラエル地域に限定して発展した宗教であり、モーセは、イスラエルの民をエジプトからイスラエルに導き、旧約聖書の時代を経て、キリスト教誕生の母胎となっていました)の論文集や解説書を読んだことは、一度もなく、すべて、初めてずくしの連続であり、そうなった原因は、2009年1月15日、神学の研究を志して、東大本郷キャンパス法文二号館の中にある東大大学院人文社会科学系研究科のH先生を訪問した時から始まり、本書を読んだことは、ついに、研究の具体的な第一歩を記すことになったに等しく、大変感激すると共に、見慣れない用語が出現し、難解ではあるものの、絶望的なほど分からなくはなく、それどころか、ユダヤ教の特徴と体系、歴史的発展と停滞、研究の着目点と研究の基本的手法が手に取るようによく分かり、求めていたこれほどよい的確な教科書が早い段階に手に入り、一気に読み進み、今後の方針を定めることができたことは、まさに、奇跡的な出来事であって、いま、深い癒しと安心感に浸っていますが、本書の内容と目的は、以下のように示すことができ、


目次

はじめに

イスラエル・パレスチナ地図

地中海周辺地図

序「我らのラビ・モーセ」に倣いて

第1章ユダヤ教の正統性

第2章タルムードと自治社会

第3章自由と戒律

第4章偶像崇拝との闘い

第5章神への愛

第6章罪と赦し

第7章神秘の力

第8章自治の終焉

第9章聖書解釈の行方

第10章聖書と現代

おわりに

初出一覧


「本書の目的は、キリスト教出現以後に発展するユダヤ教の、とりわけ、ミシュナ、タルムード(普通名詞としては学習の意、引用者)という法律議論を聖典の中心にすえたユダヤ人の精神構造と思惟方法の研究である」(p.4)、ここに収録してある10編の論文は、市川先生が、イスラエルのエルサレムにあるヘブライ大学大学院に3年間留学(東大大学院人文社会科学系研究科博士課程休学期間)していた頃の研究への視点であって、論点は広範囲に及び、単にユダヤ教の体系や歴史のみならず、キリスト教や法華経等の他の宗教との比較をとおし、ユダヤ教の特徴と本質に導き入れており、また、各部に挿入された写真から、イスラエルの今昔の歴史的遺跡によって、生活の中に入り込んでいる宗教の深さが理解できるように感じ、ただ、一度だけでなく、何度も繰り返し熟読吟味することにより、確実に何かをつかめそうに感じています。

2009-01-28 14:34:56 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-原研半世紀の歴史の中で仁科賞すら受賞できなかった物理部門の政治力-

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【講演要旨】日本の物理部門には、原子物理学のはしりのひとりであった仁科(にしな)芳雄先生を記念して設けられた仁科賞(日本版ノーベル賞、素粒子・原子核・宇宙物理・固体物理の理論・実験で独創的な研究を遂行した研究者が対象になっています)や宇宙物理の指導者のひとりであった林忠四郎先生を記念して設けられた林忠四郎賞等の褒章制度が設けられており、それらの受賞は、名誉あることで、研究者は、研究生活の中で、必ずしも意識していないものの、受賞できないよりもできた方が好都合で、また、将来の研究の遂行や職位を獲得する上で、目に見えて大きな便宜が払われることくらい誰でも十二分に認識していますが、所属組織の社会的信頼性や政治力にもより、独創的な研究を遂行したからと言って、必ずしも受賞できるとは限らず、あらゆる部門の報奨制度と同様、運不運、人間関係も大きく影響するため、受賞しなかったからと言って、絶対的価値が評価されなかったり、否定されたわけではないため、研究者としては、第三者によってどのように評価されるかよりも、自身でどのように位置付けるかの方がはるかにまともであることに相違はありませんが、それらの賞は、特に、仁科賞に限れば、旧7帝大の中でも、加速器等の大型研究施設を保有しているとは言え、研究費の少ない貧乏研究室の研究者が受賞している例が圧倒的に多く、原研の物理部門(主に、核物理や固体物理の実験・理論)の研究者のように、学生への講義や教育の義務もなく、ただ、日本の中心的な研究機関であるというだけで、湯水のごとき研究費が注ぎ込まれ、世界的な大型の研究施設、具体的には、原子炉や加速器(静電型加速器・線型加速器・タンデム重イオン加速器)等が建設され、実験に利用されても((1)静電型加速器を利用して単色高速中性子の発生による核物理的興味対象核種や原子炉構造材等を対象とした核種の弾性散乱・非弾性散乱の中性子断面的の測定や原子核密度の測定等、(2)線型加速器による核物理的興味対象核種や原子炉構造材等を対象とした核種の共鳴エネルギー領域の中性子断面積の測定等、(3)原子炉の中性子を利用した固体物理的に興味ある元素や原子炉構造材等を対象とした元素の中性子損傷や中性子回折の測定等)、大部分の研究者は、世界的にも平均的な研究内容は、卒なく遂行できる能力を有するものの、世界のトップないし世界をリードできる際立って独創的な研究を遂行できる能力は持ち合わせておらず、結局、原研の半世紀の歴史上、ひとりも仁科賞を受賞することができず(原子力機構になってから、米国の研究機関で長い間研究していて、原研の関西研究所に移り、レーザー研究で、受賞した例が1件だけありましたが、その例は、あくまで、米国で訓練された研究者であり、議論の対象となっている原研東海研の核物理・固体物理の分野ではありません)、まことに残念でなりませんが、絶対的価値はともかく、組織の政治力や原研発足時の日本の学界、特に、核物理分野の政治力学のバランスが影響していることもあり、単純な議論は、できませんが、たとえそのような社会的要因があったとしても、半世紀の期間中、そのようなマイナスの要因を克服する努力が払われてもしかるべきであるように思え、大変複雑な気持ちで現実を眺めていました。
2009-01-27 18:19:54 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-日本の原子力開発の不可解な政治構造-

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【講演要旨】日本の原子力開発は、米国から研究に利用する原子炉や加速器を導入しただけでなく、物理から工学まで、研究テーマまで米国から導入し、日本独自の研究テーマは、まったく育たず、そのような主張をする研究者は、異端視され、批判されるだけでなく、研究室から追放されるか、それに等しい扱いを受け、研究管理する側も管理される研究者も、それが当たり前と受け止めており、いっぽう、原子炉燃料を製造するメーカーにおいても、適切な製造技術を身に付けないまま実用燃料の受注を行い、実際に原子炉で燃焼させると、燃料破損が発生し、それも特別な事情のある特定の燃料体のみならず、共通の技術で製造されたすべての燃料体に破損が確認され、メーカーの技術の未熟によってもたらされたにもかかわらず、逆に、発注者の口をふさぐような政治的圧力をかけ続け、さらに、電力会社においても、軽水炉の建設初期の頃、まだ、軽水炉の技術全般の信頼性が明らかになっていなかったにもかかわらず、日本のエネルギー政策の一端として政治的に推進されていた事を正当化の根拠として、材料や安全系の安全性や信頼性を問題視した研究者に対し、電力会社の社長名(特に、関西電力が悪質)で研究機関理事長に政治的圧力を加える等の不当な権力乱用を図り、そのような横暴な行為は、1960年代半ばや1970年代前半だけに留まらず、留まることなく、今日まで永遠と続いており、原研やそれを引き継いだ原子力機構においては、いまでも、事故があるたびに、「そのようなことは、最初から想定されていることであり、問題視しないように」との人事通達があり、「もんじゅ」事故、再処理施設火災爆発事故、JCO臨界事故、美浜3号機死傷事故であれ、たとえ何名死亡しようとも、世界に例がないほど惨い死亡事故であろうと、平然と、受け流し、沈黙を守るように研究者に通達する原子力開発の政治構造に、この国の国民の安全を考えると、決して明るくない未来を指摘せざるを得ません。
2009-01-27 17:48:27 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-自主技術設計の原子炉の寸法がインチ単位だった意味-

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【講演要旨】原研に設置された原子炉の大部分は、米国の技術で製造された物ですが、経験を積み、1960年代半ば頃から、自主技術で設計された原子炉が建設されるようになり、しかし、実際には、自主技術だけでは設計できず、炉心の寸法から材質まで、すべて米国の原子炉をそのままコピーした例もあり、桜井淳所長が炉心核計算を8年間担当した材料試験炉(Japan Materials Testing Reactor ; JMTR)の炉心は、米国の材料試験炉(General Electric Materials Testing Reactor ; GEMTR)の完全コピーであり、そのことは、図面で炉心の寸法をチェックすることにより(ちょうどのインチ単位になっています)、確認できたそうです。
2009-01-27 16:26:00 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-ナショナルプロジェクトとしての国産動力炉開発の精神構造-

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【講演要旨】日本の科学技術政策研究者の中には、何を勘違いしてか、日本の原子力開発において、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の役割を、殊の外、過大評価している者がおり、開発の中心的役割を果たしたと位置付けていますが、実際には、そのような事実はなく、何もしておらず、あえてその役割を記せば、莫大な国家予算を学界・公的機関・原子力界に分配したにすぎず(いわゆるトンネル機関)、人的資源は、すべて、公的機関や原子力界から出向と言う形で供給され、たとえば、ナショナルプロジェクトによる核燃料サイクル施設の主要技術の開発において、ウラン濃縮遠心分離器・国産動力炉・核燃料再処理施設の開発のうち、前二者のように国内メーカー依存か後者のように輸入技術依存に過ぎず、特に、ナショナルプロジェクトの中心的存在の国産動力炉開発(初期の頃の技術開発を担当した原研でさえ、独自の技術はなく、海外の開発例を参考にして構築した模倣技術にすぎませんでした)においては、実用技術に結び付くような技術の展望は、最初から存在しておらず、新型転換炉原型炉「ふげん」(釈尊(分かりやすく言えばお釈迦様)に使えた救済の賢者としての普賢菩薩)と高速増殖原型炉「もんじゅ」(釈尊に使えた智慧の象徴としての文殊菩薩)のように、40年間も費やしても、開発予算に匹敵する価値のある技術は、何ひとつ残せず、そのような技術しか残せない機関が、果たして、中心的と位置付けられるであろうか(科学技術政策研究者は、誰ひとり、失敗の原因分析すらしていません)、ちょっと考えてみれば、分かるほど初歩的事項のように思えるのですが、日本の原子力界は、特に、動燃は、動力炉開発の精神構造の仏教(紀元前5世紀頃、インドのガンジス川の中流地方において、釈尊によって、人間の苦悩の解決の道として拓かれました)思想さえ生かせないほど、初歩的哲学すら身に付けていなかったのです。

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