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【政治】

ソマリアへP3Cも派遣検討 特殊部隊は警告射撃まで

2009年1月29日 朝刊

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 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策について、浜田靖一防衛相から28日、準備指示を受けた海上自衛隊の検討状況が判明した。アデン湾沿岸のジブチに拠点を設け、護衛艦2隻を派遣、P3C哨戒機3機の派遣も検討する。護衛艦に乗り込む特殊部隊「特別警備隊」は警告射撃は行うが、乗っ取られた船舶の解放は日本政府による交渉に委ねる方針だ。

 派遣根拠の海上警備行動で守ることのできる日本関係のうち、アデン湾を航行する船舶は年間約2000隻。2隻の護衛艦がエスコート方式で前後を護衛する。海賊が出没するアデン湾を含む東西に長い約1200キロの航路通過に1日半かかり、警護対象は10隻前後の大船団になる見通し。

 船団を2列にすれば、先頭から最後尾まで見通せるが、海賊が利用する高速ボートなど小型の船舶は肉眼では見えにくい。護衛艦の水上レーダーが海賊監視の重要な目となり、護衛艦搭載の対潜ヘリコプターによる定期的な監視も実施する。

 特別警備隊は護衛艦に乗り込み、高速ボートやヘリで海賊船に近づき、警告した後、水面への警告射撃と船体射撃を行うことまでは想定している。

 だが、乗っ取られた船舶に対する武器使用は(1)人質の船員が犠牲になる可能性がある(2)過剰防衛になるおそれがある(3)海賊を逮捕しても身柄の取り扱いが困難−などの理由から、日本政府に交渉を任せる方針でいる。

 P3C哨戒機の活用は、防衛省が「護衛艦派遣より現実的」として以前から検討していた。既に米、独、仏、スペインが哨戒機を派遣している。基地を提供するジブチ政府と地位協定を締結する必要があり、護衛艦派遣より遅れる可能性がある。派遣は乗員、整備員、後方支援要員など約200人を見込んでいる。

 防衛省は、統合幕僚監部や海上自衛隊の検討がまとまれば、文書にして与党海賊対策プロジェクトチームに提出する。武器使用基準、部隊行動基準など具体的な運用にかかわる部分は開示しない。

 

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