【エルサレム=村上伸一】イスラエル軍は28日未明、ガザ南部ラファでエジプトとの境界に集中する密輸用地下トンネルを空爆した。27日にガザ中部との境界で、武装集団から攻撃を受けてイスラエル兵1人が死亡したことへの報復としている。
ガザからの報道によると、空爆は3回行われ、周辺の住民たちはパニック状態になって自宅から逃げ出したという。死傷者の有無は不明だ。
イスラエル軍は、密輸トンネルがガザを支配するイスラム過激派ハマスの武器取得に使われているとして、先月27日から今月18日まで続いたガザ攻撃で空爆を繰り返してきた。同軍は1千カ所以上あるトンネルの「8割を破壊した」としていたが、18日に「停戦」が始まった後、密輸業者が崩れたトンネルの修復を再開していた。
27日のイスラエル兵死亡は、18日の「停戦」後初めて。「一神教聖戦」と名乗る組織が犯行声明を出した。
同組織の背後関係は不明だが、イスラエル政府は「ハマスに責任がある」として攻撃の直後に軍の砲撃や空爆で報復し、パレスチナ人1人が死亡した。