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ハマス小隊司令官「正面対決避け奇襲攻撃」

2009年1月26日10時36分

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 【ガザ(パレスチナ自治区)=村上伸一】パレスチナ自治区ガザを支配するイスラム過激派ハマスの小隊司令官は23日、朝日新聞の取材に応じ、イスラエル軍との戦闘でハマスがとった戦術の一端を語った。圧倒的な武力の差があるため、正面対決を避け、地下トンネルに潜りながら、時々奇襲攻撃をしたという。

 小隊司令官は通称アブジャアファル氏(35)。昼間はガザ市の保健所幹部を務め、夜は約50人の覆面小隊を率いて、イスラエルとの境界でイスラエル軍の侵攻を警戒している。

 司令官によると、ハマスの戦闘員はイスラエル軍地上部隊の侵攻が始まった3日以降、移動用に造ったガザ北部の地下トンネルに身を隠し、簡単に標的にはならないようにした。それまでは隊員同士の連絡は無線で行っていたが、たびたびイスラエル軍の電波で妨害されてきた。このため今回は人を介して文書を手渡す方法に変えたうえ、各小隊で独自の戦術を決められる権限を増やした。

 イスラエル軍は300人を超すハマス戦闘員を殺害したとしている点について、司令官は「我々は戦闘員が殺されれば、栄誉ある殉教者として、モスク(イスラム礼拝所)で公表する。その合計は48人だった」とし、イスラエル側が犠牲者の数を過大に発表していると指摘した。

 一方、「ハマスはガザの住宅密集地に紛れ込み、市民を盾に使っている」とのイスラエル側の非難について、「我々はイスラエル軍のように24時間、戦闘に従事するプロの部隊ではない。1日2交代で、昼か夜のどちらかは家族と暮らしている。イスラエル軍は我々が戦わないで自宅にいる時を狙って攻撃してくる。家族らを守るためにすぐ反撃しなければならない」と反論した。ハマスの軍事部門「イッザディン・アルカッサム軍団」(約4万人)の中で、アブジャアファル司令官のように、昼と夜の顔を使い分ける戦闘員は約7割を占めるという。

 エジプトとの境界にある地下トンネルを使った武器密輸が、国際監視体制の強化で困難になる可能性については、「あり得る」と認め、ロケット弾攻撃など今後の戦闘に影響するとの見方を示した。

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