景気の後退により、雇用情勢が、さらに厳しさを増しています。去年10月からこれまでに職を失った人と、今後、職を失う見込みの非正規労働者が、県内で、1900人あまりにのぼることが分かりました。これは、28日開かれた、県議会の商工建設常任委員会で、県側が明らかにしたものです。それによりますと、県が、1月に入って、県内219の企業を対象に、聞き取り調査を行ったところ、去年10月から12月までに、918人の非正規労働者が雇い止めなどにより職を失ったほか、1月以降も、996人が職を失う見込みだということです。失職者と失職見込みの人を合わせると、1900人余りにのぼります。県では、「今回の調査は主要企業だけだったため、実際に失職する人は、さらに多いと思う」と話しています。
厳しい雇用情勢に対応しようと、県は、去年12月、経済雇用緊急対策を打ち出しました。緊急対策で、県の臨時職員に採用された1人の男性に、雇用情勢の厳しさと、再就職にかける思いを聞きました。(東国原知事)「財政ひっぱくの中、これ以上は無理なんじゃないかというギリギリまでやっている」12月、県が発表した経済・雇用緊急対策。そのひとつが、臨時職員や非常勤職員を100人雇用するものです。宮崎市に住む49歳のこの男性は、1月21日から、県の臨時職員として採用され、現在、総務課で書類のチェックなどの仕事をしています。おととし12月、正社員として27年間働いた、クレジット会社をリストラされたこの男性。去年1年間、就職活動にあたりましたが、待っていたのは厳しい現実でした。(臨時職員の男性)「8割は書類選考で落とされる。うまくいけば面接までいくんですが、なかなか採用まで結びつかないというのが現状でした」一緒に暮らす妻と2人の子どものためにも、早く仕事を見つけたいと思っていた男性は、県のホームページで、臨時職員を募集していることを知ります。(臨時職員の男性)「神に助けられたというような思いで…必死になって応募したというのが現実です」臨時職員としての採用期間は4か月・・・男性は、この間に、再就職先を見つけたいと話します。(臨時職員の男性)「仕事ができる幸せというのを、今回、改めて思いましたし、早く定職について家族を安心させたいというのが、一番の思いです」県によりますと、100人の雇用に対し、現在12人の申し込みがあり、3人が実際に採用されたということです。
宮交グループは、第3四半期の業績が、減収減益になると発表しました。今後、業績の回復は期待できず、今年度は、3期ぶりの経常赤字となる見込みです。宮交ホールディングスとグループ7社の、去年4月から12月までの売上高は、153億3600万円で、前の年の同じ時期より、4億4000万円減少しました。また、経常利益は、2億900万円少ない4500万円と、黒字を確保したものの、燃料高騰や景気低迷の影響で、大幅な減収減益となりました。宮交グループでは、今後、業績の回復が期待できないとして、今年度、3期ぶりの経常赤字を見込んでいます。宮交ホールディングスの塩見修社長は、「役員報酬だけでなく、社員の給与をカットするなど、経費圧縮に取り組んでいる。4月以降は巻き返しを図りたい」と話しています。
景気の後退は、大学生の就職戦線にも影響を及ぼしています。県内の大学生の就職内定率が、前の年に比べ、2.6ポイント悪化していることが分かりました。宮崎労働局によりますと、県内の大学や短大などで、就職を希望している2332人のうち、去年12月までに就職が内定したのは、1432人で、就職内定率は、61.4%でした。これは、前の年の同じ時期に比べて、2.6ポイント低くなっています。宮崎労働局では、景気の後退で、企業からの求人数が少なくなっているほか、秋以降の追加採用がほとんどなかったことが、内定率低下の要因とみています。
厳しい就職戦線を受け、都城工業高校は、早くも、2年生を対象にした、進路ガイダンスを開きました。都城工業高校は、例年、3年生になってから、進路ガイダンスを開いていますが、雇用情勢の悪化を受け、今回初めて、時期を前倒しし、2年生を対象に実施しました。ガイダンスには、2年生240人が参加し、担当者から、就職活動の仕方や大学の選び方などについて、説明を受けました。このうち、就職コースでは、正社員と派遣・契約社員の収入や待遇の違いなども説明され、生徒たちが、熱心に聞き入っていました。(就職希望の2年生は)「就職先があるかどうか心配ですね」「嫌だなーと思います。(就職が)大変だから」進路指導の担当教諭は、「できるだけ早く進路を決めて、夏の就職活動や受験に、備えてほしい」と話していました。
日向市の医療機関で、予防接種を受けにきた中学生に対し、ワクチンの接種ミスがあったことが分かりました。中学生に健康被害はないということです。接種ミスがあったのは、日向市の民間医療機関で、12月1日、ジフテリアと破傷風の「2種混合ワクチン」の予防接種を受けにきた、日向市の12歳の男子中学生に対し、医師が、誤って、「3種混合ワクチン」を接種しました。男子中学生に健康被害はないということです。ミスの原因は、予防接種の受付にきた中学生の母親に対し、医療機関側が、誤って、別のワクチンの予診票を渡したためで、医師も、その間違いに気づかないまま、予防接種を行っていました。日向市では、予防接種を行う医療機関に、チェック体制の強化を要請する文書を送り、再発防止に努めたいとしています。
時限発火装置を使って、車と住宅を全焼させた男が、放火の罪で追起訴されました。追起訴されたのは、宮崎市熊野の機械修理業、冨田千秋被告58歳です。起訴状によりますと、冨田被告は、去年10月、宮崎市希望ヶ丘の民家の駐車場に停めてあった車に、自分でつくった時限発火装置を使って火をつけ、車と隣りの住宅を全焼させたものです。時限発火装置は、プラスチックケースに布や灯油を入れ、着火させる仕組みでした。調べに対し、冨田被告は、「車の持ち主にうらみがあった」と、供述しているということです。冨田被告は、別の放火の罪でも起訴されています。
国内外の有名画家の作品展が、宮崎山形屋で始まりました。今回は、日本画や洋画など、約280点が展示・販売されていて、リャドやローランサンといった近代洋画家や、棟方志功、富岡鉄斎など、絵画史に名を連ねる、著名な画家のレベルの高い作品も並んでいます。景気後退の影響で、美術品の流通にも変化が起きていて、中には、以前の3分の1程度に値下がりしている作品もあるということです。この「近代絵画展」は、2月1日まで開かれています。
農業に従事する青年たちでつくる、県SAP会議連合の冬期大会が、宮崎市で開かれました。この大会は、農業技術などの改善に取り組む、会員の活動実績を発表するもので、28日は、関係者約500人が出席しました。大会では、まず、東国原知事が、「今の景気低迷が農業にとってチャンスとなります。いろんな視点に立って、農業の活性化に取り組んでください。」とあいさつしました。つづいて、畜産や野菜など4つの部門の活動実績が発表され、このうち、畜産部門では、ブロイラーの生産農家が、近所からの臭いに対する苦情をきっかけに取り組んだ、臭い対策の実験結果が報告されました。県SAP会議連合では、こうした会員のさまざまな取り組みを共有しながら、今後の農業発展につなげたいとしています。
27日夜、宮崎市佐土原町の海岸で、シラスウナギを密漁していた親子が、県漁業調整規則違反の現行犯で、警察に逮捕されました。捕まったのは、宮崎市佐土原町の塗装業、岩切強容疑者56歳と、長男の隆彦容疑者30歳です。警察の調べによりますと、2人は、27日午後9時40分ごろ、宮崎市佐土原町の石崎浜で、シラスウナギを獲ることができない海域で、全長25センチ以下のシラスウナギ、あわせて350匹余りを密漁したものです。警察と県では、釣り人などからの情報を受けて、現場付近を合同で捜査し、密漁していた2人を、県漁業調整規則違反の現行犯で、逮捕しました。父親の強容疑者は、「海で獲ってはいけないとわかっていた」と、容疑を認めているということです。シラスウナギの密漁による逮捕者は、今シーズン初めてです。