県内の市町村立19病院のうち、12病院・診療所で計23人(20日現在)の常勤医師が不足していることが、県の緊急アンケートで明らかになった。山間部の医師不足が顕著となっており、県医療薬務課は「中山間地が多い本県は、へき地の医師確保が非常に重要」としている。
県は毎年6月に市町村立病院の医師数などの調査を実施。本年度についても昨年6月(不足数23人)に調査していた。しかし県立延岡病院(延岡市)の医師6人が3月末までに退職する意向を示したことなどから、直近のデータを把握する必要があるとして、今月中旬急きょアンケートを実施。各病院に「新たな確保を必要としている常勤医師数」を文書で照会した。
県がまとめた結果によると、不足医師数が最も多いのは、串間市民病院(同市)の5人。次いで、国民健康保険中部病院(日南市)が4人、都農町国民健康保険病院(同町)が3人など。宮崎市内では同市立田野病院が1人で、山間部と都市部との医師の偏在が如実に表れている。
全体の23人の内訳は、内科12人▽整形外科4人▽小児科2人▽外科、眼科、耳鼻科、皮膚科、放射線科が各1人。高齢者が多いへき地では、内科や整形外科の疾患が多いことから地域医療の厳しい実態を裏付けている。
=2009/01/29付 西日本新聞朝刊=