ワシントン(CNN) ゲーツ米国防長官は27日、上院軍事委員会で証言し、アフガニスタンと国境を接するパキスタン北西辺境州などへの無人武装偵察機による越境ミサイル攻撃を今後も続行する方針を明らかにした。
同州などを根城にし、アフガンへの出撃拠点にしているアルカイダ系、アフガンの政権を追われたイスラム強硬派勢力タリバーンを掃討するために必要な作戦と述べた。長官は「ブッシュ前、オバマ現両大統領共にアルカイダが何処にいても追い詰めるとの方針を示してきた。我々はこれを受け継ぐ」と強調した。
米政府はこれまで北西辺境州などへの越境ミサイル攻撃については米軍の直接関与を明確にしておらず、長官の発言はこれを初めて明瞭に認めた格好ともなっている。
同委委員のパキスタン政府がミサイル攻撃続行の意思を知っているのかとの質問に長官は「承知している」と明言した。
越境ミサイル攻撃は昨年夏ごろから加速し、2008年内には計約30回の攻撃があったとみられる。アルカイダ系組織の幹部や戦闘員の死亡も伝えられるが、一般住民も巻き込まれて犠牲になった例も多く、パキスタン政府は米政府に抗議を繰り返している。