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A評価ばかりの大阪市大法科大学院 文科省は懸念
文部科学省の設置計画履行状況調査で、成績評価を是正するように求められた大阪市立大学の法科大学院(大阪市住吉区)。調査によると、同大学院では一部の科目で、選択した学生の多くがA評価と判定されており、他の科目とは著しく成績分布が異なっているといるという。大学院側は「絶対評価を採用しており、高い成績を収めた学生にはA判定を付けざるを得ない」と困惑している。
大学院によると、A判定が多いのは必修以外の選択科目の一部。特に4〜5人しか受講していないような小人数の科目で多く、9割以上がA判定というケースもあるという。
昨年度まで同大学院の専攻長を務めていた阿部昌樹教授は、「定期試験はあくまでも学生の能力を確認する試験であり、A判定が多いのは学生の習熟度の高さの表れ」と反論。試験の質についても「教員間で試験後に、科目ごとの成績結果について十分検討しており、問題ないと考えている。A判定を出そうと思って試験のレベルを下げているわけではない」と話す。
一方、調査を行っている文科省大学設置室は、同大学院に対して「A判定ばかりでは、評価が正しく行われていても、結果として試験内容の質が疑われてしまう」と懸念を示す。同大学院は平成18年の調査でも同様の件で文科省から指摘を受けており、「改善されているのであれば、試験のあり方や成績の評価基準などの改定部分を明示すべきだ」としている。