【勿忘草】竹下元首相の孫
2009/01/27 10:35更新
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バラク・オバマ大統領が先週、誕生した。オバマ一色のニュースは、彼の政策やその物語だけでなく、妻や娘たちのファッションまで報じていた。
気になったのは、かわいい娘さんたち。今は全米どころか、世界中から祝福の嵐だが、かじ取り次第で厳しい批判にさらされるのが大統領。妻は自ら選んだ夫でも、子供は親を選べない。娘さんたちの笑顔が曇ってしまう場面があるかもしれない。
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記事本文の続き 余計なお世話にはわけがある。高校のころ、クラスに気の合う友人ができた。同じ沿線に住んでいたこともあり、学校帰りに彼女の家へ誘われた。
「ここ」と彼女が指し示した大きな家の前には、警備の警察官。「おじいちゃん、首相なんだ」。確か首相は、竹下登さんで、彼女の名字は違う。なにかの冗談かと思ったら、竹下首相の娘さんが、彼女のお母さん。ちなみに今、お茶の間で人気のDAIGOは弟で、まだやんちゃな小学生だった。
おじいちゃんが首相とはいえ、彼女は普通の女子高生だった。私たちはファストフード店でハンバーガーを食べながらおしゃべりしたり、彼女の家へ行ってはコタツでマンガを読んだり。どこにでもいる、のんびりした女子高生たちだが、普通と少し違ったのは、政治の話題が多いこと。もっとも、話し手は彼女で、私は聞き役だったけれど。
当時、竹下首相は猛反対にあいながら、消費税を導入しようとしていた。通学路の電車の中で、どうして消費税が必要なのか、彼女が懸命に説明してくれたことを覚えている。彼女は一番の“竹下派”だった。
大学を卒業してから編集者を経て、彼女は漫画家になった。昨年、雑誌「ウンポコ」(新書館)での連載で、彼女は家族についてのエッセーマンガを初めて描いていた。孫に甘く、病床にありながら最期まで国家を論じていた彼女のおじいちゃん。家族に愛されていた、竹下首相の素顔が伝わる。
彼女はマンガの中で、竹下首相へのバッシングが家族にとってどれだけ辛かったかも明かしている。どんな公人でも、子供や孫にとっては、かけがえのない家族。彼女は大きな痛みをマンガ作品に昇華するまで、20年が必要だった。その歳月は決して、短くない。
(猪谷(いがや)千香/SANKEI EXPRESS)
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