東京・南青山の一等地をめぐる不動産売買契約書の偽造事件で、不動産ブローカーの宮崎勝儀容疑者(70)=有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕=らが、偽の契約書で買い取りを装った土地の転売話を通じ、計5億円を集めていたことがわかった。警視庁は、集めた資金の一部が暴力団に流れた疑いがあるとみて、解明を進める。
組織犯罪対策4課によると、宮崎容疑者や不動産会社役員三輪洋治容疑者(73)らは05年4月、東京都港区南青山3丁目の土地と建物について、所有者の昭和地所(同中央区)が三輪容疑者の会社に約89億円で売り渡すとの内容の契約書を偽造し、都内の不動産会社に転売を持ちかけて提示した疑いがある。この転売話をもとに同年6月9日、同不動産会社から3億円を受け取ったという。
宮崎容疑者らはこれに先立つ同年4月28日にも、同じ偽契約書を使って都内の別の不動産会社に転売を持ちかけ、2億円を受け取った。この2億円は、6月に得た3億円から全額返済したという。
2社から引き出した計5億円から、返済された2億円を除いた3億円のうち、1億円は宮崎容疑者の個人口座に振り込まれた。残りの2億円については、転売話に山口組系暴力団の元組長がかかわっていたことから、同課は、この組の側に一部が流れた疑いがあるとみている。
宮崎容疑者は都市再生機構(UR)の前身の公団元職員で、契約書の偽造を主導した、と同課は判断している。宮崎容疑者は、対象物件の所有者の昭和地所について「社内で対立がある」と、転売先の会社にうその説明をし、昭和地所側に問い合わせさせない工作をしていたという。