毒ナシの自信からか、モッタイナイからか。タダでバラまかれたギョーザをモグモグと…予想通りの結果が出た。
問題のギョーザは、河北省の天洋食品が製造し、日本での事件を受けて輸出できずに中国国内で回収した冷凍ギョーザ。同省の鉄鋼メーカー「唐山鋼鉄」関係者らによると、昨年5月の連休に合わせ、福利厚生の一環として、同社の工場などで働く多数の従業員、関連の唐鋼医院の医師らに配布された。
その結果、食べた複数の従業員が下痢などの中毒症状を訴える事態に発展。男性従業員の1人は「食べた直後に激しい腹痛に襲われ、そのまま2日間寝込んだ」と共同通信に証言した。
男性は病院で検査を受けておらず、日本の事件で検出された殺虫剤「メタミドホス」による中毒と断定はできないが、食後すぐに発症しており何らかの毒物中毒だった可能性がある。
ギョーザ配布は、国有企業の天洋食品を監督する河北省国有資産監督管理委員会が、唐山鋼鉄の親会社の国有企業「河北鋼鉄集団」に指示。国有企業から国有企業へ横流しされバラまかれたというワケだ。
配布を受けた従業員の中には「食べた。けっこうおいしかった」(男性)という人が半数程度いる一方で、残りの半数は「日本で中毒を起こした“中古品”をなぜわれわれに食べさせるんだ。日本人は中毒になるけど、中国人なら大丈夫ということか」(女性)と懸念し、封も切らずに廃棄していたという。
中国政府は今回の中毒問題について日本側に連絡していない。日本での事件発覚からまもなく1年だが、解決には至っておらず、中国側の協力姿勢が問われそうだ。