指導力不足を理由に分限免職処分を受けたのを不服として、岡山市内の元中学教諭男性(50)が岡山県を相手取り、処分取り消しを求めていた裁判の判決で、岡山地裁(近下秀明裁判長)は27日、県に処分取り消しを命じた。 この男性は1981年以降理科の教員として勤務したが、2005年に「指導力不足教員」の認定を受けた。その後1年間にわたる研修を受けたが改善が見られず、県教委は06年に分限免職処分とした。 近下裁判長は男性の向上心の少なさや、研修が不調に終わったことなどを挙げ「教員としての不適格性」こそ認めたものの、「地方公務員として免職する場合は、学校以外の勤務先を検討するなど、特に厳密、慎重であるべき」と指摘。 その上で「県が処分理由とした『人間性や資質の欠如』『対人関係能力の不足』は、教員としての不適格性のみに関係し、地方公務員としての適格性を疑わせるものではない」と述べ「転職など考慮すべき事柄を検討しておらず、裁量権の乱用で違法である」とした。