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「日本人の食事摂取基準(2005年版)」とは
 日本人の1日に必要なエネルギーや栄養素量を示した基準です。これまで「日本人の栄養所要量」として示されてきましたが、2005年に厚生労働省が新たに「日本人の食事摂取基準(2005年版)」として策定したものです(以下、「食事摂取基準(2005年版)」)。
 「食事摂取基準(2005年版)」は健康な個人または集団を対象とし、国民の健康の維持・増進、エネルギー・栄養素欠乏症の予防、生活習慣病の予防、過剰摂取による健康障害の予防を目的としたものです。(ただし、健康な個人または集団には何らかの軽度な疾患があっても、その疾患に特有な食事療法を必要としない人も含んでいます。)

これまでの栄養所要量とどうちがうの?
 「食事摂取基準(2005年版)」は各栄養素についてひとつの指標ではなく、エネルギーでは推定エネルギー必要量、その他の栄養素では(1)推定平均必要量、(2)推奨量、(3)目安量、(4)目標量、(5)上限量の5つの指標の総称です。それぞれ図1、2のような意味を持ち、欠乏だけに対処するのではなく過剰摂取にも配慮して範囲で示されます。また、真に望ましい量は個人によって異なり、またその個人においても変動することから確率論的な考え方も導入されました。 
 一方、これまで使われてきた栄養所要量では、上記の推奨量にあたる基準値ひとつを充足させるといった考え方で必要な栄養素量が示されてきました。これは日本が貧しかった時代に栄養素の不足に対応する考え方で、主として集団給食で供与する栄養素量の目安などとして活用されてきました。
 しかし、現代においてはライフスタイルが変化して、個人によって栄養素摂取状況が様々になってきました。そして疾病構造も感染症から生活習慣病が多くを占めるようになったことから、個々人への対応が必要になってきました。新しい食事摂取基準は、欠乏だけに対処するのではなく過剰摂取にも配慮して範囲で示すことによって、個人および集団の双方に対応しやすくなったものといえます。

簡単にはどう見たらよいの?
 「食事摂取基準(2005年版)」は本来は栄養学を学んだ専門家によって適切に活用されるためのものですが、簡単な見方の例をご紹介します。
 標準体重域にある健康な人が自分に適した栄養素量を摂取しようとする場合、エネルギーでは推定エネルギー必要量、その他の栄養素では(2)推奨量(示されていない栄養素では(3)目安量)をめざします。簡単に見るための指標のみ抜粋した表を掲載しましたので参考にしてください。(ただし、栄養状態を評価する場合は考え方が異なりますので専門家にご相談ください。)

「日本人の食事摂取基準(2005年版)」の表(抜粋)をみる

上限量の考え方は?
 上限量は、健康な人が健康の維持・増進および生活習慣病の予防を目的とした時、この量までなら習慣的にとったとしても過剰の害のみられない耐容量にあたります。したがってこの量をすすめるわけではありません。
 また、栄養素によっては、上限量が全部または一部示されていないものがあります。これらの栄養素の上限量は、多くの場合、科学的根拠が不十分であるため数値が示されていないだけで上限量そのものがないわけではありません。したがって、上限量が示されていないからといって、多量摂取をすすめるものでも、多量摂取の安全性を保証するものでもありません。(2)推奨量(あるいは(3)目安量)を参考にした適度な摂取が大切です。
図1:食事摂取基準2005年版(エネルギー)

推定エネルギー必要量 」:不足と過剰のリスクの両方が最も小さくなる量。
図2:食事摂取基準(2005年版)(エネルギーを除くその他の栄養素)
(1) 推定平均必要量」:50%の人が必要量を満たす量(50%が欠乏、50%が充足)で、
科学的に根拠があるもの。
(2) 推奨量」:ほとんどの人が必要量を満たす量(97.5%が充足)。
(3) 目安量」:良好な栄養状態の維持に十分な量で疫学的な観察研究に由来しているが、人で介入試験ができない等、十分な科学的根拠がないため(1)(2)が設定できない栄養素での量。
(4) 目標量」:生活習慣病の一次予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき量
(図2には表示していません)。
(5) 上限量」:過剰の害を未然に防ぐ量。
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