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2次補正 給付金の最終決着つけよ

 総額二兆円の定額給付金などを盛り込んだ二〇〇八年度第二次補正予算案をめぐって二十六日、国会で攻防が繰り広げられた。まず政府の補正予算案から給付金部分を削除する民主、社民、国民新三党の修正案が参院本会議で可決された。その後、衆院本会議で与党などの反対で不同意となった。

 衆院はすでに二次補正を可決している。衆参の議決が異なった場合は両院協議会が開かれるのが通例で、意見の調整がつかなくても衆院の議決が優先されるという憲法の規定に基づき、政府原案通り成立―とみられていた。だが、ことはすんなりとは運ばなかった。衆院解散・総選挙をにらんだ与野党の駆け引きの結果である。

 給付金には効果のほどが明確でないといった批判や、高額所得者への給付の是非をめぐる論争があり、麻生太郎首相の発言のぶれも加わって民主党は補正予算案からの切り離しを要求、与野党のにらみ合いが続いてきた。ここにきて民主党が参院での採決容認に転じたのは、米国に端を発した世界的な金融危機に伴う景気の急速な冷え込みを受け、給付金以外の景気対策は早期に実施すべきとの判断が働いたためとみられる。

 総額四兆八千四百八十億円の二次補正には、給付金のほかにも高速道路料金の引き下げや中小企業の資金繰り支援などが盛り込まれている。日銀も先週、〇八、〇九年度の実質経済成長率予想を大幅に下方修正している。現状の厳しさを考えれば、二次補正そのものを足止めする姿勢を転換したことは妥当な判断といえるだろう。

 目玉の給付金問題の最終決着はなお予断を許さない。二次補正が成立しても、給付金の財源に関する関連法案は参院で棚ざらしになったままで、地方自治体による給付金支給は関連法成立まで開始されない見通しだ。支給のめどが立たないのでは給付金は無意味で、二次補正全体の効果にも疑問符がつく。

 民主党は、基本的に給付金で与党側を追い込む姿勢を崩すまい。先週末の幹部会でも補正予算案採決に応じて国会運営が与党ペースになるのを警戒する意見が出ている。

 もちろん与党側にも給付金の扱いをめぐっては総選挙への思惑があろう。しかし、この非常時にいつまでも政局がらみでいがみ合っている場合ではあるまい。景気を上向かせるために、この二兆円をどう有効に使うのか、与野党は早急に決着をつけるべきだ。


被害者参加裁判 慎重な運用が定着の鍵だ

 犯罪被害者や遺族らが刑事裁判に直接かかわる「被害者参加制度」の運用が本格的に始まった。東京地裁であった二件の公判では、遺族が厳しい被害感情や求刑への意見を述べるなど、検察官と被告・弁護人が争う従来の法廷の様子は一変した。

 公判では被告と口論になるなど、激しい感情のぶつかり合いによる大きな混乱はなかった。しかし、法廷が感情に左右される可能性は少なくない。特に今年五月からスタートする裁判員制度への影響など懸念は根強い。火種を残したままの運用開始といえる。

 被害者参加制度は、遺族らの声を裁判に反映させようという犯罪被害者支援策の一環である。昨年十二月に導入され、裁判所が許可すれば被害関係者が被告に質問したり、量刑に関する意見も言えるようになった。

 東京地裁で行われた交通死亡事故の公判では、事故で亡くなった男性の妻と兄が検察官の隣に着席した。妻は「前方不注意で終わらせたくない。殺人だと思っている」「あなたのような誠意のない人に主人の命を奪われ、悔しくてならない」と心情を吐露した。

 この間、被告の男は一度も顔を上げることなく、背中を丸めて視線を落としたままだったという。

 この制度は、できる限りのことをしたいと思う被害者らの願いをかなえられるとして評価は高い。だが、被告に憎しみを募らせた被害者側の感情が前面に出れば、公平な審理に悪影響を及ぼそう。

 定着に向けて大切なのは、いかに法と証拠に基づく冷静な公判を維持するかだろう。検察官や弁護士が事前に被害者らと意思疎通を図った上で、法廷では裁判官が行き過ぎなどを戒める慎重な運用が求められる。

(2009年1月27日掲載)
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