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常勤麻酔医不在続く 庄原赤十字病院、昨年10月から '09/1/28

 ▽夜間・休日の緊急手術困難

 庄原市の庄原赤十字病院(中島浩一郎院長、三百十床)で、昨年十月から常勤の麻酔医師の不在が続いている。平日の診察時間内は非常勤医師を確保しているが、夜間や休日の緊急手術は困難となっており、三次や広島市内に搬送するケースも生じている。

 常勤の麻酔医は昨年五月まで二人いたが、一人が出産・育児休暇に入り、もう一人が九月末で退職したため、不在となった。大学の医局などから派遣される非常勤医師が、平日午前十時から午後五時ごろまで勤務し、予定手術などに対応しているが、時間外や休日の緊急手術は困難な状態だ。

 同病院によると、交通事故や急病などで夜間や休日にある緊急手術は月一、二件。昨年十月以降、搬送時間のロスによる死亡などの例はないという。

 中本淳事務部長は「全国的な麻酔医不足もあり、常勤の確保は難しい」と話す。出産・育児休暇中の麻酔医が復帰するのは八月の予定。同病院は四月から、非常勤医師に市内に宿泊してもらい、平日の夜間と休日に対応できる体制を整える。

 同病院は庄原の拠点病院の一つ。一九七九年、入院や手術を要する症例に対応する二次救急指定病院になった。市内の病院で麻酔科があるのはここだけで、現在、十四科に三十三人の常勤医がいる。麻酔医を必要とする手術は年間千〜千百件ある。産婦人科医師の不在により二〇〇五年四月から出産医療を休止している。(梨本晶夫)

【写真説明】常勤医の不在が続く庄原赤十字病院の麻酔科。担当医のスケジュール表は空白となっている




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