2008年09月20日

北海道は空気がうまい!

9月19日
忙しく久し振りなので少し長くなりますが、最後までお読みいただければ幸いです。

最近仕事で北海道に行く機会が多いがやはり北海道の空気がきれいなことには心から感動おぼえます。
かつて北海道へは食材探しの旅で各地を回り今でもお付き合いのある業者さんが多いが、初めて足を踏み入れた地の先には新たな発見が多くあり、良い方と知り合えて楽しさが倍増します。汚れた空気の中で生活していると、人間的に荒んでくるのがわかる様な気がします。

先日、あるお客様からのブログを目にしました。50代前後のご夫婦でディナーでご来店のムッシュからのご意見だと思いますが
魚の火入れがお口に合わず作り直したものも結局お気に召さなかったようでまったく申し訳なく思います。しかしながら、コストを落として云々というくだりに関しては、いささか遺憾に思いました。どこの生産者、業者さんからどのランクの素材〈同じ天然の鯛でもピンピンからキリまで〉をどのような経路でどのくらいの額の取引があるかお客様とお話しする範疇の話でもなく、ましてそのお客様から何のリサーチもなくただの憶測内の意見でブログに書かれることは本当に残念に思いました。
当店は季節に応じた最高の食材を国内はもとより海外からの貴重な厳選素材も含め提供するために、日々研鑽を重ねております。良い素材ほど、美しく味がピュアーです。本来の自然の味と余韻が残ります。もちろん当店の味付けは一切の添加物は使用しておりません。よって物足りなく感じる方も若い方には多いと思います。(現在の日本国の食生活事情では添加物に犯されているため)
又、別の方のブログですが、この店の規模だったら5人もサービススタッフが多いとのご意見もありましたが、レストランとは、お客様に飲み物や、お皿を運ぶだけが仕事ではありません。
お客様のご来店前には、150本のお絞りの折り直し、100枚以上のナプキンをたたみ、グラスのからぶき〈100以上を毎サービス〉、花の手入れ、シルバー磨き、床の清掃と磨き、毎サービス前のトイレ掃除とチェック、ワインの管理など細心の注意を払い、お客様に喜んで頂くためにすることはたくさんあり、又、営業終了後も、スタッフ総出で、300本以上のシルバー磨き、グラス洗い、仕上げ磨きを行い翌日の発注を済ませますと2時間はかかります。
フランス料理店はお客様をお迎えするためには、本当に多くの準備が必要な営業形態です。レストランはチームワームで成立する業態で新人がいればそれをカバーする人が必要でベテラン2人でよいところが3人は必要になります。そうやって人は成長していくものではないでしょうか。人件費が思いっきり料理の値段に反映されているとありましたが、当店のスタッフは薄給ながらプレッシャーの中お客様により快適に過ごしていただくため日々努力していることをここに明言いたしておきます。又、本当にいい素材は不景気に関係なく値崩れはしません。当店が高いと思う方は、是非他店に足を運ぶ前に、当店と同じ素材やワインを事前にリクエストしてみてください。よくお分かりになると思います。
心身一如という言葉のとおり、体力が落ちますと精神力が落ち結局脱落してしまう若い人をたくさん見てきました。スタッフがいないからお客様に料理が出せませんという理由は通用しません。どこのレストランも人手不足です。スタッフが少ないレストランは足りているのではなくそのスタッフ一人一人が毎日、人の2倍以上働いていると次回レストランに行ったときに感じてほしいと思います。疲れていても笑顔のスタッフを温かく見守っていただけることが、私の切なる願いです。
最近の日本人は自分では何もせず、人様のことをとやかく言う輩が多すぎるこの傾向に憂いを感じます。又、人様のレストランを土足で上がり込みそれを職業としている人を見ると余りにも悲しく感じます。(もちろんまっとうな方もいらっしゃいます。)又、ランキングサイトなるものが巷で流行っています。
先日私の友人が話していましたが、彼のレストランの一年間の総来店客の0.00何%のブログを書いた人達の評価がさぞそのレストランの真実のように書かれています、まったくナンセンスな話で99.0何%の方の評価はどうなのかと言っておりました。私も同意見です。当店も年間1万人近いお客様にご利用いただいております。あるブログサイトの当店への書き込みは五年間でたった50件程度です。五年目を迎えると総勢5万人近くのお客様にご利用いただいていることになります。5万分の50件は0.001%に過ぎません。そんな極々少数データでランキングしていること事態がナンセンスだと思います。その方たちはそこまで人のレストランの評価をするのであれば是非自分でレストランを作り、その方の理想のレストランを開店してほしいものです。私が第一番目の客としてお祝いに行かせてもらいます。しかしその結果、もし私の嗜好性に会わなくても、私はブログには評価を書きません。なぜなら自分が経営している店ではないからです。自分に合わなければ、二度と行かないだけです。仮名で人のことをどうだこうだと言うつもりは毛頭ありませんし、人のことを評価するほど見識もありません。私の人生の杖言葉は身の丈を知れ!です。
もし気がついた事があったら、直接助言することがそのレストランを育てていくことだと思います。日本人はもっとフレンドリーで、寛大で粋にならないと日本国の良い将来は見えてこないと思います。挨拶ぐらいは進んで自分からして、挨拶されたら挨拶ぐらい返せる様な人間になることからはじめて欲しいものです。
重箱の隅をつついて喜びを感じている方、レストランの楽しみ方は自然の恵みに感謝し、食事、ワイン、会話を楽しみスタッフとフレンドリーになれる場です。もっと人と心を打ち解けあい、フレンドリーな楽しく有意義な人生を送りましょう。人の意見に左右されることなく自分の心眼を磨いてください。
これからもお客様の笑顔を拝見させて頂ける様、私は粘り強く信念を曲げず、日々研鑽し精進することを継続します。
最後になりましたが、皆様の心温まるご助言と激励、心から感謝いたします。
最後までお読みくださりありがとうございます。
posted by シェフ at 01:09| 日記