ホンダ S2000、生産終了へ
米国ホンダは26日、2009年モデルをもって『S2000』の販売を中止すると発表した。6月末をもって鈴鹿製作所での生産を終了する。1999年のデビューから10年で、その歴史に終止符が打たれることになる。
S2000はホンダの創業50周年を記念するスポーツカーとして1999年に発売。『S600』、『S800』など往年のホンダスポーツの血統を受け継ぐモデルとして誕生した。
50周年記念を謳うだけに、S2000にはホンダの最新技術がふんだんに盛り込まれた。エンジンは専用開発の2.0リットル直4(250ps)で、9000rpmという高回転まで一気に吹け上がる特性。ホンダにとっては約30年ぶりのFR駆動車となったのも特徴だ。オープンカーとしては異例の高剛性ボディの効果もあって、非常にダイレクトなハンドリングを実現していた。
S2000の10年を振り返ると、それは進化の歴史でもある。2000年にはVGS(可変ステアリングギアレシオ)を装備した「タイプV」を追加。2005年のマイナーチェンジではエンジンを2.2リットル直4(242ps)に変更し、課題だった低速域でのトルク不足を解消した。
2007年には「CR」(日本では「タイプS」)を追加。CR=「クラブレーサー」が意味する通り、日常の足として使える快適性は備えながら、週末はサーキット走行を楽しめるキャラクターが、とくに米国では好評だった。
S2000は世界64か国で販売され、1999年からの累計セールスは11万台以上に到達。このうち、米国は6万5000台以上と過半数を占める。しかし、最近ではスポーツカー市場の縮小により、販売が低迷。米国での2008年の年間販売台数は2538台と、前年比41%減まで落ち込んでいた。
米国ホンダのジョン・メンデル副社長は「S2000はエンスーのためのスポーツカー。世界のロードスターに与えた影響は大きい」とコメントしている。
次期『NSX』の開発中止が告げられた現在、S2000の生産中止によってホンダスポーツは『シビックタイプR』だけになる。しかし、ホンダは環境対応技術を進化させたハイブリッドスポーツカーの市販計画を明らかにしている。ホンダファンなら、新世代のホンダスポーツに期待したいところだ。
《森脇稔》
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