録画した日本のテレビ番組をインターネットで転送し海外で視聴できるサービスが著作権侵害にあたるかが争われた訴訟の控訴審判決が27日、知財高裁であった。田中信義裁判長は、サービス提供会社に番組の録画禁止などを命じた一審・東京地裁判決を取り消し、サービスの差し止めや損害賠償を求めたNHKと民放9社の請求を棄却した。
訴えられたのは「日本デジタル家電」(浜松市)で利用者は約1千人。主に海外に住む人が同社製の機器を使って国内に設置したレコーダーに録画予約をできる。番組はメールで転送して視聴する。
判決は「デジタル社は番組の複製を実質的に管理・支配しておらず、利用者が私的に視聴するための環境や条件を提供しているにすぎない」と指摘し、デジタル社のサービスによって放送各社の利益は侵害されないと判断。一審の「デジタル社が自ら番組を複製し、著作権侵害があった」とする判断を覆した。