現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 事件・事故
  5. 記事

三菱UFJ融資の地上げ、脱税容疑で元社長立件へ

2009年1月28日3時1分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

図

 三菱東京UFJ銀行(旧東京三菱銀行)が暴力団と関係が深かった元会社社長(48)に地上げ資金を提供していた問題で、元社長の不動産会社「カーロ・ファクトリー」(東京都港区、現テールトゥシエル)がこの地上げなどで得た所得約60億円を隠し、法人税約18億円を脱税した疑いが強まったとして、東京地検特捜部は27日、元社長を法人税法違反容疑で立件する方針を固め、関係先を捜索した。メガバンクが積極的にかかわった地上げ案件は巨額脱税事件に発展する。

 地上げが行われたのは、JR渋谷駅に近い同渋谷区南平台町の商業地約6948平方メートル(約2100坪)。現在は大手不動産会社が高層ビルの建設を進めている。

 関係者によると、元社長らは03年から05年10月にかけて、都内の住宅販売会社経由で当時の東京三菱銀行などから計216億円の融資を受けて、この商業地にあったビルや土地を買い上げ、テナントや住民を立ち退かせるなどして地上げを進めた。地上げされた土地は、06年2月に大手不動産会社に約422億円で転売され、カーロ社側が約90億円の利益を得たとされる。

 同社は、この地上げなどで得た利益について、実体のない別の関連会社に業務を委託したように見せかけるなど架空の経費を計上する手口で申告所得を圧縮。06年8月期までの3年間で約60億円の所得を隠し、約18億円を脱税した疑いが持たれている。

 地上げでは、融資の窓口となった住宅販売会社は融資関係の交渉や立ち退き交渉にはかかわらず、弁護士と協力した元社長が仕切ったとされている。

 元社長は91年ごろ、指定暴力団極東会系組長(95年に死亡)らと連携して横浜市内にある自動車学校の経営権の取得や敷地の地上げを画策していたことが判明している。

 カーロ社は00年12月に設立。元社長は01年11月から08年5月まで代表取締役を務め、同年9月まで監査役だった。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内