Print this Post Article Lists Back

竜山爆発惨事:検察捜査から見た現場の状況(上)

 ソウル市竜山区の再開発地域で起こった爆発事故を捜査している検察の捜査本部が最も注目しているのは、4階建ての見張り小屋だ。検察は、反対住民ら5人と警察官1人が死亡した見張り小屋の中で、事件当時何が起こったかについて真相究明に全力を挙げており、21日現在、おおよその概要が判明したことが分かった。

◆見張り小屋にはシンナーなど多数の引火性物質

 検察によると、反対住民らがデモの本部として占拠していたNビル屋上の見張り小屋は、高さ10メートル、縦横ともに6メートルの4階建てだった。見張り小屋の1階と2階には窓がなく、3階、4階には小さな窓があった。反対住民らは、この窓を通じ、外から接近する警察特殊部隊に向け火炎瓶を投げつけた。各階には、幅90センチほどの簡易階段があった。この階段を伝い特殊急襲部隊(SAT)の隊員が1フロア上るたびに、立てこもり住民らは鉄パイプなどを振り回し激しく抵抗していたことが分かった。

 検察関係者は「短時間でこの見張り小屋を設置するため仁川で事前に予行練習をした、という反対住民らの供述を確保した」と語った。

 特に見張り小屋の3階には、反対住民らが長期間の立てこもりに備えシンナー数十缶を保管していたことが分かった。一部のテレビでは、見張り小屋の3階から火の手が上がる様子も捉えられた。事故当時、見張り小屋には10‐12人の反対住民らが立てこもっており、このうち5人が死亡した。

◆特殊部隊が見張り小屋3階に突入した後に出火

 検察が見張り小屋の3階に注目するもう一つの理由は、特殊部隊の隊員が小屋の3階まで突入した、というものだ。検察関係者は「特殊部隊が3階まで上がり、4階の鎮圧に乗り出したところで火災が発生したものと見られる」と語った。火災発生前後の時点で、見張り小屋の3階では多数の特殊部隊員と反対住民らが、「対峙」ないしは「連行」なりの状況で入り乱れていた可能性がある、というわけだ。

 しかし検察は、当時見張り小屋の壁や床などあちこちにシンナーがまかれており、立てこもり住民らが見張り小屋4階から外に火炎瓶を投げ続けていたことから、火元は3階ではない可能性も排除できないとしている。

21日、ソウル市竜山区の再開発地域で発生した爆発事故の現場で、警察と国立科学捜査研究所の鑑識班員が鑑識を行っている。/写真=イ・テギョン記者

姜訓(カン・フン)記者

クァク・チャンリョル記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る