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あの店は今・・・ トトキ

ワインを含めて少々値付けは高いフレンチだけど料理は美味しかった「レディタン・ザ・トトキ」。好評発売中の拙著「ガチミシュラン」(講談社)で、友里の推奨店として掲載しようと今夏再訪したのですが、高級食材偏重による高額化の割に、フレンチとは思えない味付け、皿出しの遅さ、CP劣化に掲載を断念したのです。
コースは7000円から3万円(スペシャリテのお任せ)まで6種。以前は高いコースでも2万円以内でしたから、高級食材を増やして客単価増を狙ってきたようです。
この時期オススメの焼尻島の仔羊(単品で9800円)の他、金華豚(5800円)、キャビア(20g1万8000円)、乾燥鮑の赤ワイン煮のリゾ
ット(8800円)など高い食材のオンパレード。私はこれらの高級食材を盛り込んだ3万円コースを選定しました。
とにかく皿出しが遅い。トマトやオリーブのアミューズがでてきたのが40分後。シェフのオマケというトマトのスープの後、1皿目の赤鮑のマリネが出てくるのに1時間半が経過しておりました。
今晩中に帰宅できるか心配になったのです。ウニと鱧のゼリー寄せの後、チンタネーゼ(イタリアの豚)のラルドとイベリコ生ハムと桃などイタリアンのような料理が続きます。高津川の天然鰻はレモン風味にコロンボというカレー風味のミックススパイスが?。そして焼尻島の仔羊、3万円のコースに5000円の追加で変更してもらったメインは、鞍舌肉、腿の他ハンバーグ(カレー風味)と量はありました。最後はブルゴーニュワインで煮込んだという干し鮑の赤ワイン煮。確かに滋味を感じるけど青梗菜も添えられて、カレースパイスを多用する料理といい、これでフレンチと言えるのだろうか。
入店してから店を出るまで何と4時間半。4人での訪問なので奥の小さな個室に入りましたが、テーブルウォッチングはなく、狭いので奥の客にカトラリーを配置するときスタッフのズボンが手前の客の皿やパンに触れるのは衛生上問題です。
相変わらずワインは他店より2〜3割は高く、1万7000円の中堅のコースを頼んでも3万円は軽く突破してしまうでしょう。更なる高額化にオペレーションが追いつかず、支払額と食後感の乖離が激しくなったトトキ、残念ですがオススメ出来なくなりました。