自然環境への負荷を減らそうと、白馬村神城の白馬五竜スキー場いいもりゲレンデが昨年末から、生ごみの堆肥(たいひ)化に取り組み始めた。ゲレンデのレストランから出た生ごみ(野菜くずなど1日約20キロ)を堆肥処理し、希望者に無料配布する。発酵餌にもなり、畜産業者の間でも人気という。
いいもりゲレンデによると、箱(縦116センチ・横86センチ)にもみ殻を敷き、生ごみとそれを分解する微生物「バイオZ」を入れ、再度、もみ殻で覆うと、3カ月ほどで堆肥になるという。悪臭はなく家庭でも実践できるという。
生ごみの分別を始めてから焼却ごみが3~4割減り、燃えやすくなるため石油などの補助燃料が不要になったという。ゲレンデ・リゾート事業部の降旗(ふるはた)一夫課長は「この堆肥を野菜などに与えると、農薬を散布しなくてもよく、安全でおいしくなる」と話した。
発案した信州大農学部の酒井信一名誉教授は「低コスト、低エネルギーがコンセプトだ。多くの地域に広まってほしい取り組みの一つ」と強調した。問い合わせはいいもりゲレンデ0261・75・2636。【渡辺諒】
毎日新聞 2009年1月26日 地方版