携帯電話サイトなどへの書き込みをきっかけに少女が児童買春などの被害に遭った事件のうち、警視庁が昨年1年間に検挙した例を分析した結果、ゲームや交流サイトなど一般的なサイトへの書き込みから被害に巻き込まれる例が、前年07年から倍増したことが分かった。従来は大半を占めていた出会い系サイトからの被害は激減し、数で逆転していた。
少年育成課は「一般サイトであっても安易な個人情報の書き込みは犯罪に巻き込まれる恐れがある。中学校入学前の保護者説明会などで強く訴えていく」としている。
同庁が、昨年1年間に被害に遭った18歳未満の130人から聞き取り調査した。ゲームや自己紹介サイト「プロフ」、交流サイトなど一般サイトがきっかけになったのは82人おり、07年の38人の2倍強と急増した。大手ゲームサイトは友達や仲間探しなどのコーナーがあり、被害が増えているという。
一方、これまで児童買春の温床とされてきた出会い系サイトを利用して被害に巻き込まれた少女は48人で、07年の115人の約4割に激減した。
出会い系サイトを巡っては昨年12月、改正された同サイト規制法が一部施行され、サイトの運営業者は届け出が義務付けられた。都内で届けた既存業者は286。さらに18歳未満の少年少女には利用させないことを業者に義務づけた。同課は、こうした規制強化の流れの中で、出会い系サイトへ書き込む少女が減り、児童買春を目的にした大人の男は、若者を装うなどして一般サイトへ書き込むようになったとみている。
■出会いは人気ゲームサイト
「裸の写真を送らないと学校のホームページ(HP)に載せるぞ」。当時中学1年の女子生徒に携帯電話のカメラで撮影させた裸の画像をメール送信させたとして、昨年2月に児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造)の疑いで逮捕された埼玉県内の30代の会社役員の男は、最後は脅迫メールを送りつけた。