橋下大阪府知事当選から1年 府民からは教育・財政などで評価する声
27日、橋下 徹大阪府知事が当選から丸1年を迎えた。大阪府民に、橋下知事のこの1年について聞いたところ、教育・財政などで評価する声が聞かれた。
27日、橋下大阪府知事は、記者会見で「去年(2008年)のあの努力があるから、増大する借金にストップをかけることができたので、いよいよ次の一手のための次は、財源づくりということを取りかかって、その次は未来への投資と」とこの1年を振り返った。
大差の当選から、27日で丸1年。
2008年4月、橋下知事は「ぜひ、大阪を立ち直らせたいと思いますので、今一度ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます」と涙ながらに述べていた。
涙と過激発言で揺れた橋下知事の1年を、財政、教育、景気の3項目に分けて、大阪府民に採点してもらったところ、教育、財政などで評価する声が聞かれた。
知事の公約でもあった財政債権問題について、街の人は「財政は、そこそこやってはるから75点。今までの知事の中で一番積極的に動いているかなと」、「(80点をつけた人は)財政は、結構いろいろ思い切ったことをやってるから」などと話した。
27日のインタビューに答えた15人の平均点は、71点だった。
橋下知事は、「箱モノ」と呼ばれる施設の売却や移転などの方針を次々と打ち出したのに加え、人件費や私学への助成金の削減を決定した。
この問題について、先週末、府民との討論会で、橋下知事は「自分の金を1万円とか2万円とか出せという話になったら大騒ぎするのに、府民の税金を投入するということになったら、『平気でクビ切れないから』と言って、(税金を)投入するわけですよ。『文化のため』とか『これは何のため』とか言えるが、じゃあ、『自分らで職員で金出して、ちょっと支えたらどうなんだ』って言ったら、全然そういう動きにはならないわけ」と述べた。
さらに、教育問題について聞いてみると、平均点は78点と、財政再建を上回る高得点となった。
100点をつけた人は「教育はいろいろ市民の人と協議しているんで、いいことかなと思います。今までの人とは違うのかなと」、「学力テストは公表すべきだと思っているので、大阪を良くしようと思っている。頑張ってるので、点数は(90点)」などと話した。
この問題をめぐっては2008年、橋下知事は「教育委員会のクソ野郎と言ったんですけどもね」と話し、さらに先週、「学力も低かった、体力も低かった、これで何が残るんだと!」と過激な発言で教育委員会や文部科学省を批判してきた。
教育改革に力を入れる理由について、橋下知事はFNNとの単独インタビューで、「大阪は犯罪率が高い、離婚率が高い、失業率が高い、交通のマナーも悪い、特にひき逃げが多い、多重債務者問題も山ほどある。本当に大阪を良くしようと思えば、教育しかないですね」と述べた。
最後に、大阪の景気について聞いたところ、高得点がついたこれまでの2つに比べると、55点と厳しい評価となった。
街の人は「(40点をつけた人は)橋下さんも頑張っているんですけれども、うまいこと歯車がかみ合っていないかなと」、「(60点をつけた人は)わたしは、もっと世の中の景気を良くしてくれると思ってたんですけどね」、「(70点をつけた人は)大阪から景気を良くして、関西圏を」などと話した。
先週、宮崎県の東国原 英夫知事の2年間に84点という高得点をつけた早稲田大学のマニフェスト研究所に橋下知事の1年を採点してもらったところ、70〜75点だった。
早稲田大学のマニフェスト研究所の林 紀行事務局長は「70〜75点だというふうに言えることができると思います。例えば、保育所の設置などは、当初は府がやるということでしたが、政策転換した点などは、やや減点の対象となりました」と話した。
橋下知事が選挙公約に掲げた保育所を駅前や駅構内に整備する事業を取り下げたことなどを理由に、東国原知事より低い得点になった。
そして、2人の県知事の手法の違いについて、林さんは「東国原知事はどちらかというと県政と協調型。一緒に共にやっていこうという形で、それに対して、橋下知事は、対決型の府政運営をしているのが2人の大きい違いになるかと思います」と語った。
(01/27 18:53 関西テレビ)