南瞑

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help リーダーに追加 RSS 韓国タンカー原油漏出事故/クレーンバージの航路解析

<<   作成日時 : 2007/12/27 09:04   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 102 / トラックバック 0 / コメント 4

さて、懸案のクレーンバージの航路解析です。
韓国の詳細な地図/海図が見当たらず、時間がかかりましたが、やっと見つけたので、解析ができるようになりました。
基本的な疑いは、このクレーンバージが通常の航路を外れていたのでは無いか、という事です。仁川付近は世界でも有数の干満の差が大きな地域で、朝鮮戦争での仁川上陸でも、その点は大きな問題になりました。これは、言い換えると、仁川港から外海への航路には制限があると言う事です。タンカーは当然ですがこの航路を避けて錨泊していたはずです。
下の地図の赤で囲った部分が概略のタンカー錨泊地点です。
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さて、上の地図で仁川からの通常航路では、南側の徳積群島を避けて、赤線のような航路になりますが、このバージは青線で示したような、不自然な航路を描いて衝突します。この地図で、緯度、経度線の間隔は約20海里、37Kmほどになります。普通のタンカーなどで20海里の航海はおよそ2時間前後かかります。クレーンバージを曳いて航行する場合、その速度は6から7ノット、つまり、20海里を航行するのは3時間以上かかる事になります。つまり、このバージと曳き船は3時間以上、制御不能の状況に陥っていたことになります。そして、もしそうであるならば、このバージと曳き船は早晩座礁する事になります。詳細図を示します

画像


赤で囲んだ部分が概略のタンカー錨泊位置、青線が衝突したバージの航路、赤線が正常な航路になります。

これはちょっとどころか、非常に不自然です。仮に通常航路を用いて徳積諸島西で針路を南に変針したのであるなら、タンカーに衝突する確率は天文学的数字になります。

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これが徳積諸島付近の状況詳細です。ここを通り抜ければ、タンカー錨泊地至近へバージは到達する事になります。しかし、この地図を見れば判る通り、大型のクレーンバージを曳いて、簡単に通り抜けできる場所ではありません。また、上の詳細図を見ると判りますが、タンカー錨泊地北側には小さな岩礁がいくつかあり、バージを曳いて通り抜けるのは簡単ではありません。

さて、ここからは私の無責任な想像です。そのつもりで読んで下さい。
このバージと曳き船は「タンカー水路」を通ったのではないでしょうか?上に挙げた地図は少々古いため、大山の石油バースは描かれていません。しかし、現在、そこには石油基地があり、大型のタンカーが積み降ろしできる施設が作られています。詳細図を見ると判りますが、昔の地図にある水深ではタンカーは通行できません。したがって、タンカー錨泊地から大山バースまで、ブイ等で示す浚渫された水路があると考えられます。このバージは時間節約のため、このタンカー用水路を通った。徳積群島東部に比較的広い水路があります。満潮時、ここを抜けて、タンカー水路に入り、そこから針路を西に取って外海へ抜けると、バージ目的地である巨済島へはかなりな近道になります。この傍証は、事故後早朝に撮影された、まだ漏出が酷い状態での映像です。タンカー左舷は「陸側」を向いています。これは紹介された衛星画像でも漏出側が陸側になっている事で判ります。つまり、バージは外海側から衝突したのでは無く、陸側から衝突した、と考えた方が自然です。

このバージは、多分、タンカー水路を通り、タンカーと陸の間を抜けようとした。タンカーの外海側には岩礁群があって行けません。そこで陸側を抜けようとしたが、潮流に押されてタンカーに衝突する事になった。これが真相じゃないかと想像します。

もしこの想像が正しいとしたなら、韓国近海で韓国航路管理機関が発出する国際的航路警戒情報(これはNAVTEXと呼ばれる航路、気象情報放送で流されます。1万トンのバージ曳航なら「必ず」長尺曳航として情報が流れます。もちろん詳細な予想位置も一緒に。)はまったく信用出来ない事になります。特に1000トン未満の小型の船では、もし曳航ワイアーと当たれば、かなり恐ろしい事になります。
はっきり言って、もし、この想像のような事が行われており、それを水路管理機関が知り得ない、あるいは見逃しているのだとしたら、途上国どころか未開国に等しい。海の世界では、ケンチャナヨは絶対に通用しません。私の想像が間違いである事を祈ります。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
解析、お疲れ様でした。ちょっと信じられないんですが、傍証などからすると否定できませんね。素人考えでも本来と違う航路を使用した以外の結論は思いつきません。地図に載っていない航路が新しく認可(?)されたとかってことは無いのでしょうか?
管制室が衝突前から危険を察知して両船に警告していたという報道はなんなのか?
正常でない航路なのに管制が把握している=管制も違法航行の共犯?
新たな情報が出てくるのを待つしかないけど、朝鮮人は本当に斜め上の事態を引き起こしてくれますね。(--;
これが事実ならば、通常であれば補償をするはずの保険会社なんかが支払い拒否してもおかしくないように思う。
とり
2007/12/27 11:53
とり様
えっと、具体的に想定できる航路は下の詳細図、紫月島の西側から南下、徳積島と大伊作島の間の海峡を抜けて、タンカー錨泊海域に到達するものです。多分、ここはかなりな大型船でも通過可能だと思います。ここが一般航路に指定されていない(灯台、詳細図ではLiteと書かれていますが、これが無い。)のは、逃げ場が無いからだと思います。ここを航路にするには灯浮標が必ず必要になりますが、ここを通過しても短縮出来る距離は僅かですから、リスクに引き合わないと思います。仁川から大山へ行くなら、ここを使うと相当に距離は短くなりますが、座礁の危険と引き合いにできるのかどうか??
南瞑
2007/12/27 14:08
南瞑さまの恐ろしい想像が、間違いであることを祈りつつも
それが真相であろうと、私は思います。

下記のサイトは、JRの運転士たちが韓国に行った際の
世にも面白い…いえ、恐ろしい実体験が展開されております。
今回の事件を引き起こした彼らの「ケンチャナヨ」具合がわかると思います。

新幹線運転士による韓国鉄道レポートまとめ
http://whhh.fc2web.com/ktx/byuwan.html
初心者マーク
2007/12/28 00:27
http://www.chosunonline.com/article/20080119000034
http://www.chosunonline.com/article/20080119000033

これは・・・・・あなたの分析が正しかったことの証左ですか??
OINK!!
2008/01/19 21:56

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