急増する還付金詐欺
給付金詐欺も登場
07年は2571件だった還付金詐欺だが、08年は4539件に急増している。1件あたりの平均被害額も100万円と高額だ。
典型的な手口は、社会保険事務所などの職員を名乗り、「払いすぎた年金や保険料を返還する」と騙す。その際に「手続きは今日まで」「窓口は混雑しているから、ATMから手続きした方がいい」などと言葉巧みにATMまで誘いだし、ATMの前で被害者が持っている携帯電話に指示を出す。最初は残高照会をさせ、振込のボタンを押させ、残高全額を詐欺グループの口座に振り込ませる。ATMの操作に慣れていない高齢者がターゲットだ。
また、昨年末から報告が出てきているのが、この春に給付される見込みの「定額給付金」を狙ったと思われる振り込め詐欺だ。
犯人は、市役所職員などを名乗って電話をかけてくる。「定額給付金支給のために、家族構成と口座番号などを教えてほしい」といった内容。
実際には、役所からそのような電話をかけることはない。被害はまだ報告されていないが、もしこのような電話がかかってきたら、警察や国民生活センターに報告してほしい。
手口に真実味を持たせるために、詐欺師はこのように社会的に関心の高い話題を次々と盛り込んでくる。騙されないためには、「今日中」「今すぐに」と言われても、いったん受話器を置いて誰かに相談すること。ATMでは公的機関の手続きはできないことも覚えておくべきだ。