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【三重】地域医療再生へ 医師支える方策探る 志摩病院の外来紹介制移行で2009年1月27日
志摩市の県立志摩病院の内科・循環器科の医師が4月から6人程度に半減する見込みで、同科の外来診療は完全紹介制への変更を余儀なくされる。市民に不安が広がる中、医師が働きやすい病院へと、市民としてできる方策を考えようとする動きも出てきている。 「入院や救急を優先しなければならない」。志摩病院の吉村平院長は、今回の医師減説明のため市内各所で開催している「院長出前トーク」で理解を求める。 住民側からは「志摩病院がかかりつけ医だったのに」「このままでは病院がなくなってしまうのではないか」といった不満や不安の声が出ている。 そんな中、志摩市女性の会連合会と市自治会連合会、市PTA連合会、市保育所保護者会、子育てサークルなどで昨年11月に発足した「志摩小児医療を考える会」が、動きを見せている。 もともと同病院小児科の救急外来と入院が休止したことを受けて結成した。今回の事態を受け、今月9日に代表者会議を開催。名称を「志摩地域医療を考える会」とし、老人クラブにも参加を呼び掛けるなど、地域医療全体を考える会にしていくことを確認した。会議には、志摩病院や大口秀和市長ら市の関係者、地元県議、市議らも出席し、それぞれの情報を共有する場にもなった。 同会が活動の参考とするのは、兵庫県丹波市の「県立柏原(かいばら)病院の小児科を守る会」。▽コンビニ受診を控える▽かかりつけ医を持つ▽医師に感謝の気持ちを伝える−をスローガンに、医師確保を求める署名以外にも、医師の負担を減らすための啓発や、感謝の寄せ書きを贈るなど、多彩な活動を展開。新たな医師を迎えることにも成功している。 考える会の山下美恵会長は「署名などで医師確保を訴えるだけでは解決できない。どうしたら医療が充実するか。みんなで意識改革もしないと」と話す。守る会の活動を取材した新聞記者を招いて、2月22日に講演会も開く予定だ。 吉村院長は「積極的に市民と話し合いをしていきたい。院内ボランティアにも参加していただければ。継続して一緒に地域医療を考えていきたい」と、市民との協力関係を望む。 (飯田竜司)
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