岡山放送局

2009年1月27日 11時5分更新

300日問題”違憲”と提訴


離婚後300日以内に出産した岡山県総社市の女性が、生まれた子どもを今の夫の子どもとする出生届けを出したのに受理されなかったのは、法の下の平等を定めた憲法に違反し精神的な苦痛を受けたとして、国と市に損害賠償を求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、家庭内暴力などのために去年3月離婚した岡山県総社市の20代の女性です。

この女性は去年11月に出産し、今の夫の子どもとして市に出生届けを出しましたが、離婚後300日以内に出産した場合は前の夫の子どもとする民法の規定を理由に受理されませんでした。

これに対して女性は、出生届けを受理しないのは法の下の平等を定めた憲法に違反し精神的な苦痛を受けたとして、国と市に合わせて330万円の損害賠償を求める訴えを岡山地方裁判所倉敷支部に起こしました。

女性は、戸籍がないままでは選挙権が与えられず、就学通知も受けられなくなると訴えていて、今の夫を父親だと認めるよう調停を申し立てており、近く家庭裁判所から審判が出る見通しです。

女性の弁護士は「戸籍のない子どもを無くすため、どんな場合に受理するのか司法の判断を仰ぎたい」話しています。

これについて総社市は「女性の心情は十分に理解できる。戸籍のない子どもができないように制度の柔軟な運用を国に要望したい」と話しています。