鞍手町の作業所、入所施設などで過ごす障害者たちの日々を追い続けた記録映画「あした天気になる?」が完成した。障害がありながらも懸命に働き、四季の祭りやイベント、地域の人との触れ合いなどを通じて見せる笑顔や泣き顔などから、命、生きること、親子の絆(きずな)や家族愛などを問う1時間25分の映画に仕上がっている。
■命や親子の絆問う
映画の監督は、ハンセン病患者の記録などを手掛けた宮崎信恵さん(66)=東京都江東区。同町の社会福祉法人「鞍手ゆたか福祉会」(長谷川澄江理事長)が運営する作業所「ゆたかの里」や入所更生施設「サンガーデン鞍手」などを舞台に、2007年秋からほぼ1年をかけて撮影した。
映画には、知的障害がある男性2人を中心に、共に働き暮らす男女約30人が登場する。機械部品の組み立てや古紙回収、祭りで花火遊びをする様子、母親が子に寄せる思いなどが随所に登場する。法人本部長の長谷川正人さん(48)は「彼らの姿が多くの人に見られることで、障害者への社会の理解が少しでも進めば」と話している。
宮崎監督は、ハンセン病患者のドキュメンタリー映画「風の舞」(04年)で文部科学大臣賞を受賞した。今回の映画の出来栄えに「笑顔や言葉を通じて障害者も生きているということを描き出せたと思う」と自己評価する。
完成を記念した上映会が2月22日午後2時、同町新延、町総合福祉センター「くらじの里」で開かれる。一般1000円、小中高生800円。サンガーデン鞍手=0949(43)1200。
=2009/01/27付 西日本新聞朝刊=