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世界の印章300点陳列、新潟
印章店を全国展開する大谷(新潟市江南区)が、世界の印章を集めた「印章歴史博物館」を同市中央区の新潟本店内に2月、開設する。旧ソ連、インド大使などを歴任した元外交官で印章コレクターの故新関(にいぜき)欽哉(きんや)氏=東京出身=の収集品を中心に、紀元前から現代までの約300点を展示する。
同社によると、印章だけを展示する博物館は世界的に珍しい。大谷勝彦社長(66)が発案した。同社長は以前から海外旅行先などで印章を収集、「多くの人に見てもらい、世界で歴史的に印章が使われていたことを知ってほしい」と考えていたという。
昨秋、新関氏のコレクション約250点を遺族から譲り受けることが決まり、本格的に博物館設置に取り組み始めた。同氏は赴任地などで印章を収集し、使い方や形の歴史的変遷を著書にまとめている。
展示品は印章の起源とされる古代メソポタミアの円筒印章や、古代エジプトのスカラベ(ふんころがし)型印章、中国の漢時代の銅製印章など珍しいものが多い。ヨーロッパ貴族の紋章入り印章や、柄に複雑な模様の浮き彫りがあるアジア地域の印章も多数展示する。
時代、地域別に展示する予定で、新関氏の書籍をもとに作品解説を添付する。入場料は未定だが、大谷社長は「学生や子どもが来やすい価格にしたい」としている。
大谷社長によると、現在、印章を使っているのは東アジア地域の国だけ。日本ではIT化に伴って需要は減っており「博物館での展示を通して、印章の歴史の長さや文化的魅力を発信したい」と話している。
新潟日報2009年1月27日
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