伊南行政組合は25日夜、運営する昭和伊南総合病院(駒ケ根市)の経営などに関して外部から点検、評価を受ける運営審議会を設置し、第1回の会合を同病院で開いた。杉本幸治組合長が、策定を進めている昭和伊南の経営改革プランについて諮問した。これを受けて審議会は、今後プランの正案化に向けて論議を重ねる。組合側は2月半ばごろをめどに答申を得たい考えだ。
委員からは、常勤医がいない整形外科、産婦人科の医師確保を病院が目指す方向に掲げることや、職員が気概を持って経営再建に取り組める環境づくりなどを求める意見が出された。
会合では、同組合を構成する伊南四市町村の議会や医師会、住民の各代表、識見者ら18人を委員に委嘱。会長に前原茂之・中川村議会議長、同副に深山智代・県看護大学長を選んだ。杉本組合長は「皆さんの意見を聞く中で、実効性が上がるプランをつくりたい」と呼び掛けた。
組合側は、これまでにまとめたプランの素々案に肉付けした素案を提示した。素案では昭和伊南が持続可能な医療体制の確立を目指し、地方公営企業法の全部適用に移行して職員給与見直しなどの経営効率化を進めることや、伊南四市町村からの追加繰り入れを今年度から6年間で計12億円求めていくことなどを盛り込んでいる。
救命救急センターの今後の在り方としては、県が主体となって公立3病院の機能分担など上伊那の地域医療の在り方を整理する中で検討すべき―としている。
委員からは「住民が何を求めているかが大事。整形外科や出産できる環境などを何としても確保していくことがなければならないのではないか」の声が挙がった。
これに対し、組合側は「整形外科と産科の復活、小児科の充実をしたいが、現在の医師の供給体制からすると非常に厳しい」と答え、医師数などの現状を前提にしたプラン策定に理解を求めた。
追加繰り入れについての質問も出た。杉本組合長は「工夫する中で生み出すという強い覚悟で(4市町村の各議会に)提案していきたい」と述べた。