2002年01月04日
       桜島・御岳(200名山/名山50)-1/2



    さてさて 今回の九州ツアーの超目玉! 大本命!

    今日は桜島に向かうことにする。

    桜島登山隊は、隊長ガイチ以下、リーダー前村、隊員えみさん、みなまん、
    そして 特攻の僕。


    砂のナフリッジ!
    膝まで潜り、アリジゴクのような中の砂のラッセル!?

    なんだか 訳の解らない世界。未知の領域である。


    目指す稜線は西面にあるので 西風の強く吹く冬の間が登山適期ではないだろうか?ということで、この時期にやってきた。
    ブッシュに積もった火山灰が凄いので、マスクは必携。それでも吸い込んでしまい鼻は真っ黒、身体はじゃりじゃりになる。。。
    ”とにかく手掛かりが崩れてしまって何もないから、両手に”くまで”を持っていったほうが楽かも知れない?とか、、、
    ロープを繋いでも支点がないから 単に一所に落ちていくだけではないか? 反対側に飛ぶ? ううむ、ぞっとしないな。。
    スノーバーで支点はつくれないだろうか? デッドマンは?
    かんじきを履けば、砂に潜らないで済むのでは?
    スノーシューは?


    なんだか めちゃくちゃな様だが、これまでに数回のミーティングをし、タクティクスは完璧に思える。
    やるっきゃないのである。

    7:00 鹿児島からフェリーに乗り込むと、目の前に望まれる櫻島は日の出の中 パステルに浮き出ている。 なんとも美しい。(")/

    九州に来て思うのは、熊本、長崎、、、の辺りと言い この辺りと言い、、、交通手段としてフェリーが日常にしっくり入り込んでいるということかな。。。
    ごくごく普通に生活の手段になっているのには、関東の人には新鮮に見えるに違いない。


    程なく桜島に渡ってしまう。
    ここからは 北面(時計回り)に桜島を周り、北北西稜を目指す。
    今まで二回の敗退、偵察をしているガイチ、前村両氏の研究により、唯一最高点である御岳の山頂に通じている尾根はここだけである。
    また 御岳に登ったことがある”ばけモン”なのか?”ばかモン”なのか? 石川氏からも 年末にアドバイスをもらっていた。
    彼も数年前に登った時には、この稜を使ったということだ!


    ”今回は、なにがなんでも登ってしまいたい!”


    解りにくい地味な郵便局からは林道に入り込む。右に左に林道は分岐しているので解りにくいが、とにかく一番奥まで通じている林道を目一杯突っ込んでいくと 巨大な堰堤工事の行なわれている広い河原に出る。ここからは 目指す北北西稜が、そして山頂が開けていて良く見える。
    この堰堤から尾根に取り付くのが簡単そうではあるが、ちょっと目立ち過ぎで、環境なんちゃら員とかに指導を受けて 登れなくなってしまうと馬鹿馬鹿しいので、林道を少しもどり 樹林帯から上に向けて登っていくことにした。

    8:14 身支度を整え、いよいよ出発。
    樹林帯は なんとなくトレースっぽい感じのものはある。 数日の雨、雪のおかげで、ブッシュに積もった火山灰は 落ちてしまったようで、めちゃめちゃひどい”灰まみれ”の状態ではない。
    ラッキーなのである。(")/

    8:25 樹林帯を抜けると、なんと林道工事に出てしまった。
    仕方がない。この工事中の林道を見付からないように辿る。まだまだお正月ということで、ラッキーにも工事は行われていない様子。してはいけない事をするということは、何だか わくわくするモンだ。情報もない。さて これからどうなっちゃうのだろうか?

    林道終点からはいよいよ一気に稜線上を目指すことにした。
    8:40 背丈ほどのブッシュの中、右に左に、、、っと選びながら とにかく稜線に上がる。下地は火山性の砂というより 要するに火山灰で、ルンゼは深くえぐれていて通行を妨げる。
    雨が降り、水が流れれば 一気に火山灰はこらえしょうがなく流れていってしまうのであろう。あちらこちらに 深くえぐれた溝がある。
    8:56 稜に上がった。

    一端稜線に上がってしまうとブッシュは無くなり 暫くは歩きやすい。
    9:06 辺りは崩壊が進み、大きくえぐれた巨大な谷がそこいら中に迫ってくる。丁度 大山の稜線の様だが、もっと絶望的である。


    こりゃ凄いわい!



    ボロボロの世界の中、
    確かに唯一、この稜だけは山頂に通じている様だ。

    ”なんとかなりそうだな”


    9:23 ますます迫ってくる崩壊した巨大な谷。

    だんだん砂のナイフリッジ感が高まってくる。
    落ちたら二度と這い上がって来ることは出来ないだろう。足元に注意しながら 崩れる前に足を進めていく。ここ数日の悪天、降雪のお陰で火山灰は落ち着いているので、膝まで潜るということはない。


    前方に目をやると、


    ”あれれ? やばぁ〜いんじゃなにの???”



    巨大な谷は この稜の行手に及んでいる。

    この先、進めないかも知れない。これで終わりか!?
    どう見ても絶望的である。
    一旦下り、他の稜を登り返さなくてはならないのだろうか??



    とりあえず もっと近くに寄って見てみよう。




    両側が深くえぐれた中、一箇所だけ、谷の向こう側に乗り移れそうな場所がある。”ここから行くしかない”


    慎重に通過する。 果たして行けるのだろうか?
    落ちたらえらいことになるぞ。
    崩れる足元、手掛かりもボロボロ。ううむ、頼む!

    9:28 危険個所はなんとか通過できた。しかし 果たして下れるのだろうか? 仕方がない。もう来てしまったのだから、、、
    ここからは火山灰は雪にまみれて固く凍っている。アイゼンを履いてみると 思いのほか楽に歩ける様になった。

    今回はラッキーなのかもしれない。
    このところの悪天で 火山灰は凍り、おかげで砂地獄からは開放されている。
    9:47 山頂部の岩が近づいてきた。

    もう近い。




    もらったな!
    9:47 中岳から南岳に向かう稜線が見えだす。


    南岳からの噴煙の音は、耳をすますと不気味に聞こえる。
    噴煙の規模は巨大だ。
    ちょっと噴火でもされたら、、、完全にヤバイ!


    考えるのはやめておこう。。
    9:53 ちょっとした岩場を越えると御岳の火口に出た。

    巨大なスタジアムの様な火口は、真平で、まさにグランドの様である。丁度野球場4コ分くらいだろうか?さながら 宇宙人達の運動場という感じだ。。。。そうだな、宇宙人がいるとしたら、きっとこんなトコは 格好の着陸地になりそうだ。

    下から眺めると、御岳山頂に是ほど巨大なスタジアムがあるとは 全く想像できない。

    ここからは 火口のヘリを伝い、右手の最高点を目指す。

    一旦ゆるやかに下り岩場を目指す。
    9:57 岩場の基部には岩小屋がある。なんと! 人間の居た形跡すらあるのである。ずいぶん前には一般登山道もあったというから そのときの名残なのだろうか?

    周囲にはプラスチックのバケツがいくつか?転がっている。

    10:04 山頂部岩稜帯の弱点を登っていく。


    これで終わりだろう。

    もう少しである。
                        
         
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