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企業・経営

アニメ制作会社の4割「低い制作費押しつけられた」、公取委調査

2009年1月26日

 公正取引委員会が1月23日に発表したアニメーション産業の実態調査によると、制作会社の42.4%は「発注元から十分協議することなく著しく低い制作費を押しつけられた経験がある」という。公取委は、発注元が受注側と十分な協議を行うよう努める必要があるとの判断を示した。

 調査は2007年11月―2008年12月に制作会社533社にアンケート票を送付して実施し、114社から有効回答を得た。併せてテレビ局、広告代理店、DVD販売会社など44社と関連4団体に聞き取りを実施した。

 制作会社の62.8%は資本金1000万円以下の小規模業者。また71.1%はほかの制作会社から制作を再受託している。制作会社の85.1%は発注書面を「必要/あったほうがよい」と考えているが、ほかの制作会社から再受託する場合「発注書面を受領していない/しないことが多い」との回答が45.1%で、「必ず受領する」という会社は17.1%にとどまった。公取委では、受注側の不利益を防ぐため書面の確実な交付、受領が必要としている。

 受注側の回答として、自社に責任がない状況で、作業にかかった費用の補償なしで発注取り消しを受けたという事例が22件あった。また追加的な費用の補償なしで発注内容が変更された事例が46件、やり直しを求められた事例が47件、代金を減額された事例が16件あった。発注内容の変更ややり直しは原作者、監督の意向やテレビ局の事情を理由としたものが目立ち、代金減額は発注元の予算や財務状況を理由としたものが多かったという。

 制作会社が作品の著作権を保有する割合は、発注側と共有する場合も含めて21.4%。アニメDVDやキャラクター商品など著作権の二次利用による収益の分配を受けている制作会社は39.9%。制作会社の29%はこうした収益配分状況に不満を持っているという。

■関連情報
・公正取引委員会のWebサイト http://www.jftc.go.jp/

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