昨年は大河ドラマ「篤姫」など視聴率が好調だったNHK。締めくくりの紅白でもその勢いは衰えなかった。
2部(後9・30〜11・45)は42.1%で、最近5年では05年の42.9%に次ぐ数字に。1部(後7・20〜9・25)は最近5年で最高の35.7%。
BS、CSの多チャンネル化、大みそかにテレビを見る世帯の減少など“時代の変化”で紅白視聴率も近年は低落傾向にあった。その中では昨年は健闘したといえそう。
今年の第60回に向けて、58回から3カ年で紅白リニューアルを進めていた。「歌の力 ひとの絆」をテーマに、「対戦構造より、歌の持つ意味や人と人のつながりを前面に押し出す演出をした」(同局)。
初出場は14組で07年の8組より増え、新鮮味が増した。ジェロ(27)や木山裕策(40)、秋元順子(61)ら初出場組登場の際は会場に応援に来た家族の紹介や家族からの手紙朗読などで、視聴者に親近感を持たせた。
話題性では、1部はトップバッター浜崎あゆみ(30)の右手負傷、大ヒットジブリ映画「崖の上のポニョ」がけん引。2部は「羞恥心with Pabo」、長年のラブコールが実ったMr・Children、そして「おふくろさん」解禁の森進一(61)などに注目が集まった。
2部で企画コーナーをなくしたこと、次に歌う歌手の紹介テロップを初めて導入したことなど、細かい工夫も視聴者に受け入れられたようだ。
「40%を割ったら丸刈りに」と宣言していた、長髪がトレードマークの石原真チーフプロデューサー(51)は丸刈りを回避。「手応えがあったので40%超えの自信はあった。紅白だけは数字が欲しいと思っていた」とホッとした様子。
ただし、4連敗を喫した紅組の担当ディレクターは“引責”丸刈りになったという。