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看護師が執刀する韓国の病院(下)

 京畿道城南市の100病床規模の整形外科を営むS院長は「主に看護師らは医師の手術技術を身に付けた後、手術に参加するようになる。また衛生兵出身の一般人も多い」と話した。

 こうした形式の手術補助の慣行は、病院が職員募集の際に「手術室オーダリー募集」と広告を出すほど。月給は200万-300万(約13万-20万円)ウォンで、中には手先が器用なことから、月500万-600万ウォン(約34万-40万円)で病院にスカウトされるケースもある。

 ソウルの脊椎専門病院の中には、医師が手術室に入る前にオーダリーが手術部位を開き、脊椎が現われるように筋肉を反らして準備しておくことも多い。これが1日に一人の医師が5-6回手術できる秘訣とされている。

 皮膚科・形成外科には別名「鉄かばんおじさん」と呼ばれる手術補助らがいる。彼らは毛髪移植手術の際に、鉄のかばんから手術器具を取り出し、医師の代わりに植毛するという。しかしこれらの医療行為は明らかに違法だ。医療専門のキム・ソンウク弁護士は「最高裁判所の判例によると、医師が監督したとしても医師ではない人が患者にメスを入れるのは無免許医療行為。現在の医療界における慣行はすべて法的根拠がない」と指摘した。

 ソウル大病院・外科のユン・ヨギュ教授は「外科には若い医師がおらず、PAはもはや避けられない状況。米国のように一定水準の教育を受けた準医師が医師の代わりに単純な作業ができるよう、人材を養成しなければならない」と語った。

金哲中(キム・チョルジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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