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デパートの「解体セール」が人気だ。歳暮や中元商戦で売れ残ったギフト商品をばらして安売りするので、この名がついた 生活防衛に励む主婦らが殺到、入場制限するほどのにぎわいという。ギフトセット時の半額以下の品もあって、まとめ買いをした商品を台車に乗せて運ぶ客も珍しくなく、各店から前年を大きく上回る売り上げが報告されている 「解体」は「買いたい」につながる内需刺激策のひとつと言う人もいる。「売れ残り」といいながら、メーカーが解体セール用の商品を供給する態勢になっているところを見ると業界あげての消費刺激策とみていい 先日「百貨店の売り上げ、コンビニに抜かれる」と報道された。かつて「夢を売る」と言われたデパートも夢より現実が大切である。「解体」の2文字にドキリとするが、開き直った迫力と、したたかさが見て取れる 変革期には様々な権威が解体される。大きいから強いという既成概念もそのひとつ。名門デパートが安さを競う「解体セール」ほど今の世相を象徴している言葉はない。少々刺激的な装いがなければ、この現状は打破できまい。
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