14.
獄中で書いたのは、結局ここまでである。
末尾近くにあるように、かつて何度も書いたことを書こうとするとウンザリして気が滅入り、かといって「もう省くことにする」と宣言して、では実際に省くとやはりそれはそれで前後がうまくつながらなくなるため、もーいやだとすっかり放棄してしまったのである。
しかし、ここまでで四百字詰原稿用紙換算で二三五枚。まあよく書いたものである。
しかもこれを書いていたのは懲罰中のことで、もちろん筆記用具は一切所持禁止。私は隠し持った便箋に、隠し持ったシャーペンの芯(もちろんシャーペン本体ではなく、芯だけである)で、看守の目を盗みながら、たったの十日でここまで書き進んだのである。
もちろんこれは自慢である。
革命政権樹立の暁には、この生原稿は、革命博物館の目玉展示品である。
しかし出獄後、数ヶ月を経てこの渾身の未完成原稿を読み返してみると、なかなか面白いではないか。
獄中で時間はいくらでもあったのだから、頑張って完成させておけばよかったと、自分の根気のなさを恨めしく思う。
仕方がない。
いっそ、これから続きを書いて、最後まで完成させようと思う。