2009年01月24日(土)
整形外科医全5人、6月末までに退職 市立甲府病院 山梨大に後任派遣要請
市立甲府病院(川口哲男院長)の整形外科常勤医5人全員=いずれも信州大出身=がすることが、23日までに分かった。現在、病院側は後任の医師確保に向けて山梨大に派遣を要請していて前向きな回答を得ているが、従来通りの診察を続けるための医師数確保のめどは立っていない。同病院は「患者に影響が出ないよう診療体制の確保に向けて要請を続けていきたい」としている。
同病院によると、医師5人のうち1人は3月末、4人は6月末に退職する予定。整形外科長が昨年11月に「一身上の都合」を理由に退職の意思を病院側に示し、ほかの4人も「チーム医療であるため上司とともに退職したい」と意向を示した。現段階で辞表は出ていず院内で慰留の話し合いを重ねているが、5人の意思は固いという。
同病院の整形外科は1日平均の外来患者数が約200人(2007年度)と県内で最も多い。科長の退職意向について、川口院長は「勤務がきつかったことや責任者としてのストレスなども退職の一因ではないか」と話している。
同病院の整形外科は30年余り信州大出身医師が担当している。信州大に後任医師の派遣を要請したが、「長野県内でも十分な医師確保ができていないため難しい」との回答があったという。今回の全員退職について信州大医学部の加藤博之整形外科長は「医局としての引き揚げではない」と話している。
同病院は、現状の診療体制維持には4人以上の医師が必要とみて、山梨大医学部と後任医師の派遣について調整している。川口院長は「医師全員が入れ替わるとなると、患者に不安を与えかねない。患者数の減少が懸念される」と話している。
同病院では消化器内科医の全員退職により、昨年6月から専門診療を休止している。
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