東京消防庁の救急隊が今月10日、急病の女性(66)を搬送する際に、誤って予定の病院とは別の病院に運んでいたことが、同庁への取材でわかった。女性はその後、本来予定されていた病院に運ばれたが、死亡が確認された。搬送が約10分遅れたとみられ、医師らで構成する都メディカルコントロール協議会が搬送ミスと死亡との因果関係を調べている。
同庁によると、10日午後9時25分ごろ、足立区東和の路上に女性の急病人がいると通行人から119番通報があり、足立消防署の救急隊が現場に駆け付けた。同庁本部は女性を松戸市立病院(千葉県松戸市)に搬送するよう指示。だが救急隊は約2キロ手前の新東京病院(同)を市立病院と思い込み、女性を運んだ。新東京病院で誤りに気づき、市立病院に到着したのは午後10時20分ごろだった。
足立消防署長らが11日、遺族に搬送ミスの経緯を説明し、謝罪した。
同庁の永井秀明救急指導課長は「誠に申し訳なく、ご遺族ならびに関係者に深くおわび申し上げる。救急隊員への指導、教育を徹底し、再発防止に努める」と話している。【林哲平】
毎日新聞 2009年1月25日 19時05分(最終更新 1月25日 19時08分)