2009年1月25日 21時6分更新
去年10月に廃業した東京・品川のホテルで、解雇された元従業員が自主的に営業を続けている問題で、東京地方裁判所は25日、建物から立ち退かせる強制執行を行い、ホテル付近は一時、騒然としました。
強制執行が行われたのは、去年10月に廃業した東京・港区の「京品ホテル」です。
25日は午前7時、東京地方裁判所の担当者が訪れ、建物からの立ち退きを求めましたが、解雇された元従業員でつくる労働組合とその支援者、およそ400人が、入り口をふさいで応じませんでした。このため午前9時すぎ、警視庁の機動隊員などおよそ200人が建物の中に入り、元従業員や支援者を立ち退かせました。
「京品ホテル」では、廃業に伴い、従業員69人が解雇されましたが、労働組合側は、「一方的で不当な解雇だ」として、その後も自主的に営業を続けていました。
会社側からの申し立てを受け、東京地方裁判所は今月15日、建物からの立ち退きを命じる決定をしましたが、組合側がこれを拒否したため、強制執行を行いました。25日の強制執行で、ホテルがある品川駅前は、怒号などが飛び交い、一時、騒然としました。
元従業員の58歳の男性は、「多くの人の支援で自主営業を続けてきましたが、最後はこのような結果になり、とても残念で悔しいです」と話していました。
労働組合側は今後も裁判などを通じて、会社側に解雇の撤回を求めていくことにしています。