立地企業を支援 多賀城市、ソニー製に買い替え

 宮城県多賀城市は24日までに、2009年度以降、市内の小中学校をはじめ市の施設のテレビやDVDプレーヤーをソニー(東京)製に買い替える方針を固めた。業績が悪化している同社の開発・生産拠点、仙台テクノロジーセンターが同市に立地していることを考慮した。同市によると、企業支援で特定の会社の製品を購入するのは東北では珍しい試みという。

 市が購入を計画しているのは、アナログ放送から地上デジタル放送(地デジ)に移行する11年7月までに買い替えを予定しているテレビ127台とDVDプレーヤー104台。また、09年度以降、リースの更新時期を迎えるパソコン235台も同社製にする予定。総額は計約6000万円に上ると想定している。

 買い替えと新たなリースは、26日の市総合景気対策本部会議で正式決定する。製品の調達は通常の予算編成の中で賄う。
 市によると、同社は前身の東京通信工業時代の1954年、国内2番目の工場として現在地の同市桜木に仙台工場を開設。仙台テクノロジーセンターとなった現在はセンター社員の2割以上に当たる約350人を同市民が占めている。

 同センターは07年、災害時の一時避難場所として敷地内の体育館を提供する協定を市と締結。日本フットボールリーグ(JFL)に所属するソニー仙台も市内に本拠地を置き、ホームゲームへの市民招待など地域密着の活動を展開している。

 市は同社の地元への貢献度を重視。同社が22日、09年3月期連結決算の営業損益が過去最大の2600億円の赤字に転落する見通しを発表したことを受け、支援に踏み切ることにした。

 全国では、広島県府中町に本社を置く自動車メーカーのマツダが販売不振に陥っていることから、同県と広島市が同社の車を公用車として購入する動きがある。

 多賀城市市長公室は「特定の会社の製品を購入することには偏りがあるという声もあるだろうが、ソニーは半世紀以上にわたり、地元の商工業の発展に努めてくれている。市も財政難だが、できる範囲で支援できれば」としている。
2009年01月25日日曜日

宮城

経済



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