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「朝鮮の監獄、そこは地上の地獄だった」

【新刊】フェリックス・クレール・リデル著、ユ・スヨン訳『わたしのソウル監獄生活1878』(サルリム)

 

130年前、朝鮮王朝末期の監獄の姿とはどんなものだったのか。本書はフランスの宣教師、フェリックス・クレール・リデルが1878年1月から6月まで朝鮮の監獄で体験した生活を収めた回顧録だ。リデルは1857年に司祭に叙され、1861年に布教地である朝鮮を訪れた。1866年に丙寅迫害(キリスト教の弾圧)が起こるや中国に避難、11年後に再び朝鮮に入り布教活動を繰り広げた末に、投獄された。

 異邦人の目に映った監獄は灰色の世界だった。監獄にいたのは泥棒と借金を抱える人たち、そしてキリスト教信者で、リデルは「泥棒が囚人として収容される監獄こそ、地上に存在する地獄像の中で最も無残なものだ」と記した。囚人たちは、夏であろうが冬であろうがほとんどぼろ布を身にまとっていた。水は監獄の中央の水溜まりから汲むことができるが、それで体を洗うと皮膚病にかかるのが常だった。

 獄卒は「野蛮人」として描かれた。囚人たちに夜通し歌を歌うよう強要し、囚人が刑罰を受ける姿を楽しんでいた。「何より心が痛んだのは、刑場にいる捕校と刑吏が、その光景を見て面白がるように声を上げて笑うことだった」。本書は、韓国関連の貴重な西洋の古書を翻訳した「彼らが見たわれわれ」叢書シリーズの第6巻に当たる。

ホ・ユンヒ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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