【コラム】トヨタ労組と現代自労組
同じ19日、韓国の現代自動車労組が発行した組合文書は「攻勢による闘争だけが生きる道であり、会社側の姿勢の変化だけでは破局を防ぐことはできない」という文言で始まっていた。現代自労組は同日、臨時代議員大会を開き、ストライキに向けた最初の手順である「争議開始」を満場一致で議決した。旧正月連休後にスト権確立投票を行い、ストに突入する予定だという。現代自労組は今回の争議について、「資本側の危機が労働者にとっても危機だという誤った図式を克服する闘争だ」と主張した。
現在、現代自は世界的な経済危機で販売台数が伸び悩み、生産も30%減少している状況だ。しかし、労組は仕事は少なくても、賃金はこれまで同様に支払うよう求め、ストを行うという。
もちろん会社側は、世界的な経営危機が押し寄せる前に、組合側に対して賃金据え置きのまま労働時間を3時間短縮すると約束した経緯がある。しかし、その約束を守るのが困難なほど経済状況が悪化していることは子供でも分かる。それでも労組は約束を守らなければ、ストを決行すると脅している。
1987年に結成された現代自労組は、94年の後、14年連続でスト決行という大記録を持っている。このまま行けば15年連続ストも確実だ。経営の神様でもこんな労組と一緒に工場を動かすことは難しいはずだ。まともな考えを持つ経営者ならば、自動車開発部門だけ残し、生産設備をすべて外国に移転して、海外で生産した車を国内に持ち込むほうがはるかにましだと考えるはずだ。
既に現代・起亜自は全世界に現地生産体制を築いている。今年末に起亜自の米ジョージア工場が稼働すれば、海外300万台生産時代を迎える。これは労組が輸出車を盾にストを行う戦術が通じない時代が到来したことを示している。ソナタを生産する牙山工場がストに入れば、米アラバマ工場で作ったソナタを輸入すればよい。自動車輸入関税をゼロにしさえすれば実現可能なことだ。
どのみち現代自の競争力は、労組員の3分の1の月給ではるかに勤勉に働く下請け会社の従業員の血と汗によって生み出されたものだ。今の労組員はストにたけ、多額の月給を受け取ること以外に競争力はない。かえって現代自の競争力を大きく傷つけている。
従って、今からでも現代・起亜自の国内工場は速やかに閉鎖しなければ、会社は健全化しない。新たに建設され、生産性も高く、低賃金でストも行わない海外現地工場にすべての生産を任せるのが正しい答えだ。国内には開発機能を持つ研究所だけ残せばよい。
不幸にもそんな日がやって来たら、現代自の労組員は自分の子供たちに「なぜ働き口が消えたのか」をどう説明するだろうか。現代自労組が今考えを改めても、まだ手遅れではない。
金栄秀(キム・ヨンス)産業部長
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