【ウィスラー(カナダ)立松敏幸】10年バンクーバー冬季五輪のテスト大会を兼ねたノルディックスキー・ジャンプのワールドカップ(W杯)2連戦が23日、当地で開幕した。会場となるウィスラー五輪公園は、バンクーバー五輪のノルディックスキーとバイアスロンの会場として新設されたもの。ジャンプ選手にとっては今大会が「飛び初め」。日本勢は一様に「癖がなく飛びやすい」と、好印象を持ったようだ。
ウィスラー五輪公園のジャンプ台は、長野県白馬村の台と同じようにラージヒル(HS140メートル、K点125メートル)とノーマルヒル(HS106メートル、K点95メートル)が並列している。五輪前にこの台を使うW杯は、今回が最初で最後。選手たちは23日、公式練習と予選で計3回飛んで台の感触を確かめた。
予選で139.5メートルを飛び、トップだった葛西紀明(土屋ホーム)は「癖がない」と、助走路の形状などに大きな特徴はないという感想。予選14位の伊東大貴(サッポロスキッド)も「飛びやすい。いい台だと思う」。同16位の岡部孝信(雪印)は「雪質もいい」と話した。
日本の菅野範弘チーフコーチによると、助走路がなだらかで踏み切り部分(カンテ)がやや短いが、ドイツやイタリアの台に似ており、「近代的な台。飛びやすい」という。ただし、多くの選手にとって滑りやすいということは、実力差がはっきり出ることになる。
本来は無風に近い台だが、晴天で日差しが強くなり、気温が上がると下からの風(有利な向かい風)が吹くという。菅野コーチは「風による運、不運があるかもしれない」と指摘した。
毎日新聞 2009年1月24日 17時17分(最終更新 1月24日 18時20分)